安全・安心の構えこそ求めるもの | 荒井広幸 草の根 ブログ

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荒井広幸(あらいひろゆき)参議院議員 オフィシャルブログ

漠然としていたものが、その輪郭を現わした感じだ。
アメリカ主導による、いや人間の欲望が剥き出しになったグローバル金融・市場経済中心の世界構造は、お金の流れが世界を動かす時代をつくりあげた。
そこに得する国と損する国の2極化が進んだ。リーマンショクはその限界を示したが、日本は損する国のひとつになり、私達日本人はバブル以降オロオロするばかりで、新しい進むべき道をつくれ(選択でき)ないで今日まで来ていた。
この間、政治はというと衆議院選挙を複数当選者が出る中選挙区から小選挙区に転換させることで、新しい日本の進路開拓ができると信じ、その賛成反対活動を国民をまきこんで展開し、政治改革(実は選挙制度改悪)に明け暮れていた。
もたついた。それが失われた20年と言えるものだ。

その頃、阪神・淡路大震災を教訓に首都直下型地震が襲った場合、国会や官庁などの首都機能が麻痺すれば日本はシャットダウンするわけで、これを予防するため全国に首都としての機能を分散させ、バックアプ体制を用意する必要性を認識して作業を進めていた。
2つのエリアとそれに準ずるエリアの3つの首都機能移転候補地までにやっと絞りこんでいたが、その後うやむやになってしまった。
理由は、膨大な費用と国民のコンセンサスをえる労力、そして何を移転するかなど難問山積で効率の悪いテーマと敬遠されたのだ。今にしてみれば、喉もとすぎて熱さを忘れてしまったわけだ。
この巨大地震とつなみ、そして原発災害は国民の喉もとに刃を突きつけている。
今やらねば、もうできない。

そして見えてきたものがある。私達の考え方から政策まで大転換が緊急の課題であるということである。
今ある生活や社会システム、経済活動もすべていかに脆弱なものであったかを思い知らされた。
グローバル市場原理から解き放たれ、効率化最優先から、多少は生産性等を犠牲にしてでも安全・安心を担保する新たな道を選ぶことが求められているのではないだろうか。
そんな輪郭が見えてきた。

問題は、その輪郭の内を埋める中身である。
それは医療、教育、地域、人と人の絆や生活、社会のインフラストラクチャーの整備・充実という人問の安全保障の原点にある安全・安心の「構え」という有形無形の体制を固めていくことだ。
その中核に据えるべきものは、「公(おおやけ)」という概念をもって、官民連携(P・P・P)という手法の活用であり、その進め方、手続きは医療にあるインフォームド・コンセント(説明と同意)の関係を大切にすることだと私は考えている。
これらをもってして岩手・宮城・福島における復興と創造のプロセスの中で、国民全員があげて協力し力を出しあい、全日本の安全・安心の構えを具体化させねばならない。