如是我聞:沖縄県のお葬式(後編) | 葬儀屋さんの社長のお葬儀ブログ

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今回は、前回に続き
沖縄県のお葬式についてです。

あくまで僕が見聞きした範囲ですが今回も、「如是我聞」ということでお伝えします。


●昔は2回葬(洗骨)

今では火葬が主流ですが、かつて沖縄では一度土葬あるいは風葬などを行った後に、
死者の骨を親族の女性が海水や酒などで洗い、再度埋葬する「洗骨(せんこつ)」という風習があったようです。(沖縄諸島では「シンクチ(洗骨)」、奄美群島では「カイソウ(改葬)」)
これは死者を一時埋葬しただけでは、死霊のままで、これは子孫に病や死をもたらす危険な存在ですが、
洗骨をして第2の葬儀をすることにより、子孫に幸福と豊穣をもたらす祖霊となるという考えからと言われています。


●大きなお墓、小さな棺

沖縄のお墓が大きいことは有名ですね。
住宅と混在して建てられ、本当に家のような形のもの(「破風墓」)もたくさんあります。
また子宮の形を模したという「亀甲墓」も数多く建っています。
いずれも内部は8畳程度の広さで、古くは故人の遺体を自然に白骨化させる「風葬」や「洗骨」の習慣があったことからきています。

沖縄本島からさらに南に下った地域では、「十六日祭」という祭があり、
家族みんなで朝から墓の前に集まり、車座に座って食べたり飲んだり、
ときには音に合わせて歌ったり踊ったり・・・なんだか葬儀とは思いにくいにぎやかな葬儀ですね。

お墓が大きいならお棺も?と思われがちですが、
全国的に使われている棺と比べて、棺は短くて、深い物が使用されています。
これは故人を納棺する際、膝をすこしだけ立てて納棺する風習からきているのです。


●枕飾りに三枚肉!?

枕飾りにも独特のものがあります。
白木の位牌、花や箸を立てた一膳飯のほかに、
豚の三枚肉、塩と味噌、おまんじゅうなども供えます。
肉を供えるのは沖縄の琉球文化特有の風習でしょう。


●白い紙で「神封じ」

喪家では葬儀の前に墓を掃除し、入り口に納骨まで白の紙を貼ります。
また、自宅から火葬場まで、白い細い紙を笠の一番上につけて持っていきます。
これは仏が出たことを世間に印象づけるためといわれています。

家族の誰かが死亡した場合には、死の忌みを嫌う床神(床の間)や神棚には、白い紙を貼って封印します。
これを「神封じ」といい、四十九日忌まで貼っておきます
(集落や親族によって、初七日忌で神封じを解くところもあります。)
また、仏壇も扉があれば閉じ、忌明けまでは、正月や結婚式、結納など普段のお祭りは中断されます。
葬儀社の仕事にもその神封じから通夜の作業までがはいっているとか。


●通夜はあるけど通夜式がないことも

もともとの沖縄のお通夜は、本土のように通夜式はありません。
香典も香典返しも、何時から何時までと言うこともなく、夜中お客さんが引けるまでお通夜は続きます。
遺族を含め礼服を着ている人はあまりなく、地味目の普段着が一般的です。
「通夜ぶるまい」も特別になく、お茶や菓子を出す程度で、
夕飯時には、定番料理で「ジューシーのおにぎり」と「ソーメンの汁」を出すことが多いようです。

大切な家族を亡くされて悲しんでいるご家族を見舞って慰めたり
故人のお顔を見て別れの言葉をかけて焼香をする為の場として、遺族には気を遣わせないのが
基本なのだそうです。


そのほか地方のお葬式事情こちらにも載せています!(ページの下~のほうです)