最近は式場での2日間にわたるお葬儀(通夜・告別式)が主流になっていますが、
もともと、それが基本というわけではありません。
言ってしまえば、故人をお見送りする気持が大事で、
それを形にするのがお葬儀であり、
それをプロとして全力でサポートするのが僕たちの仕事だと思っています。
先日、うちの今井君が担当したお葬儀も
本当に喪主様の思いのこもった手作りのお式で
彼の中でも忘れられない体験となったそうです。
喪主様は故人の旦那様で、
長い入院生活を送られていた奥様(故人様)の看病を献身的になさっていた方でした。
「俺は、こいつの食事から下の世話までずっとやってきた。晩年は痴呆が進んで意志の疎通もままならなくなってしまったが、イヤだとか、汚いとか思ったことがない。俺はコイツでコイツは俺なんだよ。だから最後も俺がやりたいように一人でコイツを見送るんだ」
とよくおっしゃっていました。
喪主様の思いに心打たれて、その思いを形にできるよう、
今井君もとことんお話を聞き、提案し、
時には喪主様からのアイデアも活かさせていただき、
ご自宅でのお別れ会の後、翌日出棺という形の
お式をお手伝いさせていただきました。
後日、来店された喪主様から
「アイツの最後は俺一人で見送るもんだと思っていたけど、
あんたと二人で見送れて良かったよ。本当に。」
とのお言葉をいただきました。
今井君も同じ思いだっただけに、本当にうれしかったようです。
「沢山の方のお見送りのお手伝いをさせていただいていますが、
教えて差し上げる・提供させていただくものよりも、
もっと多くのものをお客様より与えていただいていると感じます。」
僕も毎回の葬儀ごとにそう思います。
多くの事を気づかせて下さる喪主の方々のお気持ち・お言葉へのお返しとして
日々一所懸命のお手伝いです。