円山公園の枝垂れ桜ではなく

 

 夜の円山公園は90%以上が外人の花見客か??? 恐るべし。

 O君が「吉野の桜を見たなら、円山公園の枝垂れの夜桜も」と誘ってくれた。入口に当たる八坂神社は押すな押すなの外人さん。参道の屋台もずらり。ここは何処かと問えば、ジャパン。噂に聞く枝垂れ桜はライトアップ前に異国人の波。ひとまず、ライトアップ前に腹ごしらえをと八坂界隈を訪ね歩いたが、諦める他なかった。

 

 枝垂れ桜の隣に佇むお洒落な洋館があった。覗いてみた。すると正面入口にヒマラヤ杉と書かれた大きな木を見つけた。この長楽館は明治中期の「煙草王」村井吉兵衛の迎賓館として造られ、京都市指定有形文化財となっているそうだ。デザートカフェ、フレンチレストランとして営業中であるが、こちらは時間と金子の用意がない。

 

   私にはヒマラヤ杉が一番。ヒマラヤ杉はレバノン国旗に描かれている。かつて地中海を席巻したフェニキア王国はガレー船を駆使して栄華を誇った。そのガレー船はヒマラヤ杉で作られ、ベネチア共和国に引き継がれ、湿地にも打ち込まれ、建築群の礎ともなった。しかし地中海ヒマラヤ杉はレバノンに細々と生き残っているだけだ。

 

   初めて見たヒマラヤ杉。フェニキア文字はギリシャ語に受け継がれ、アルファベットへと繋がる。ローマ帝国と争ったカルタゴはフェニキアの植民都市と思い浮かぶ。

   別にヒマラヤ杉と言えば、工藤夕貴主演の「ヒマラヤ杉に降る雪」がいい。アメリカに渡った日系市民の冤罪を扱った映画で、この人種偏見に若い新聞記者が立ち上がる。そして二人のほのかな恋愛場面が粉雪舞うヒマラヤ杉の原生林の中に展開する。好みでいえば、必見である。

 

   さて、枝垂れ桜を見終わると、人波かき分け、バスで京都駅へ向かった。バスの中も外人さんで大混雑。後方でピンポーンと鳴ったが、「あれ? 降りる方が現れない。はて? 」その降車客は後部扉から降りて回って、運転手席の扉を上がって、定期券をパネルにタッチ。そして夜道に消えていった。観光産業に携わっていない京都市民は大迷惑だろう。

   さてさて、夕食は伊勢丹ビルの食堂街。屋台の焼きそばよりもとても美味しく頂きました。夜9時というのに、こちらも大繁盛。

   私はこちらのヒマラヤ杉がいつ植栽されたのかを知りたかったが、ネットに長楽館は伊藤博文公の命名とだけあった。

 

🌸🌸🌸 今年の私の桜まつり写真展です 🌸🌸🌸

最後はおまけです