鯉のぼり 桜婆 山道迷い 

 

  5月3日。私もGWの行楽へと思い、村積山257m(岡崎市)へ走った。しかし車は大渋滞。ようやく熊野神社に駐車して歩き始めた。

夕陽の熊野神社

 

  まず向かったのは大谷派の西光寺。車道沿いにてくてく。こちらのお寺、鯉のぼりが昨年5月の強風に舞って、元気な錦の美しさだった。その鯉のぼり目当てに行ったら、今日は村の行事があったとかで揚がっていません。ガッカリ。昨年の見事な泳ぎっぷりに感動。見たかったよ~とオニギリをほおばり、ため息。

 

  さて桜婆から村積山へ。荒れた山道に入って、しばらくしてルートに迷いをして、行ったり来たり。道迷いをしていたら、高台に崩れた石積が現れた。「戦国時代の物見台か? 」と。見張り番の足軽の姿などをしのんでみる。

 

  雑木に覆われているが、往時は伐採も行き届き、見晴らしも良かったことだろう。この地は徳川松平家か治めたが、群雄が目を光らせた土地。跋渉散策の興味は尽きないが、「もう帰ろう」だ。 「左膝の痛みが爆発しては大変だ」と腰を下ろして一休み。すると、ほのかに枯れ葉の中に道が浮き上がって見えた。「これかもしれない」と再び前進を始めた。

 

  未来というものは、めったに見通すことなどできないが、行く手をじっと眺めていると、私にもふんわりと私なりの未来が浮かび上がってくることがある。不確かな未来が一瞬の構図を現すことがある。そんな思いがふと頭をよぎった。

 

 さて山道を見つければ、後はとんとん拍子。行き交う人もない静かな山歩き。昨年も桜婆とは? また奇妙な地名があるものだと感心した。

 検索してみたら、昔話に、一儲けをたくらんだ木こりが桜の大木を切り倒した。婆さんが「切り倒してくれるな」と頼んだが、聞かなかった。すると木こりに災いがもたらされた。婆様には、木こりの未来が見えていたのかもしれない。。うん、合点。

鯉のぼり(昨年)