空からクルージング エーゲ海

 

NHKBS 放送でこんな番組が放送されていた。ナレーションはないが、簡単な説明テロップは流れる。ドローンのお蔭で、まさに旅の旅だ。ひょっとして、現地へ出向くより面白いと思う。

 

エーゲ海を旅するなら、やはりデロス島に立ち寄ってみたい。大国ペルシャの脅威に対抗するために、ギリシャの諸都市がデロス同盟を結び、諸都市の軍費と富をデロス島に持ち込んで、島は繁栄した。またギリシャの最高神の一人であるアポロンにも会える島だ。そんなデロス島を空撮で見せてくれた。

 

南に下れば、ナクソス島がある。お酒の神ディオニソス、英語であれば、バッカス。大きな大理石のディオニソスの巨像が横たわったまま放置されている。ディオニソスとアドリアネがブドウ栽培で平和に暮らした島だ。飛び切り美味いワインで二人は夜ごと酔っぱらっていたに違いない。

 

さらに下れば、火山の大爆発で滅んだサントリーニ島の町。そして大クレタ島に行き着く。ここは半牛半人のミノタウロスが迷宮に住んでいた。この怪物を退治した英雄に一目ぼれしたのが王女アドリアネ。二人は怪物退治の後に、ナクソス島へ駆け落ちした。ところが夫はナクソス島にアドリアネを置いて、さっさと旅立った。傷心のアドリアネの前にディオニソスが現れる。いかにもギリシャ神話らしい人間味があふれている。

 

しかし現在のエーゲ海の話題の中心はトルコに近接する島はレスボス島。中近東からの避難民を保護するための大きな難民センターがあるからだ。ここは詩人サッフォーの出身地。レスビアンという言葉はこの島に語源があるという。

またこの地はオルフェウスの遺骸の一部と愛用楽器リラの流れ着いた場所とも。愛妻を亡くし悲嘆にくれたオルフェウス。そんな彼を振り向かせようとした女たちは、ディオニソスの祭りで酒に酔っ払い、振り向かぬ彼を腹いせにバラバラに切り刻んで川に流した。オルフェウスの遺骸はエーゲ海に流れ、この島に流れ着いたそうだ。

 

ドローンでエーゲ海の島々を堪能させてくれた。まるで海外旅行一本分を楽しんだ気分になった。楠見千鶴子さんの「ギリシャエーゲ海紀行」が私に島の来歴や風土をやさしく詳しく教えてくれた。

海は広いな 大きいな♪ 行ってみたいなよその国♪