2020 7 1 日の香港

 

 「ペンは剣より強し」という名言がありますが、香港の映像ニュースを見ていると、ペンを取り上げられたが蟻が巨像に踏みつぶされる姿だ。

 

パレスチナのガザ地区は「天井のない牢獄」と言われているが、こちらは「問答無用の鉄格子」だ。思想の自由、言論の自由といったものは、人類が2000 年の英知が勝ち取ったルールだ。あるいは、古代ギリシャ人以来の人類の果実だ。

 

ところが現代の独裁は、電子機器の発達のお蔭で、個人の会話や行動までも捕捉する管理社会を実現した。片や、中東やリビアなどでは、独裁政権が次々と倒れたおかげで、政権が独占してきた最新の小型兵器が市中に流出して野放しになった。その後は内戦が絶えない。こちらは、一般市民には言論の自由以前の「生命の危機」だ。これが人類2000 年の帰着かと思うと、やはり暗然たる気持ちにさせられる。

 

リーダーを目指す人間の第一等の資質は、自信家、理想家、あるいは野心家であることだろう。しかし最も重要な資質は間違いなく「謙虚さ」だろう。

しかし理想と野心は紙一重だ。「あの人は理想が高そうだ」からと投票したら、単なる野心家だった。当選したら、謙虚さなど微塵もないことはざらだ。

そして大いなる自信は大いなる崩壊と隣り合わせの薄氷の上にある。こちらは、権力者は嗅覚で知っているらしく、権力の維持ためなら何でもやる。粛清と弾圧などお手のものだ。これも2000 年の歴史が証明している。

 

  科学の発達も電子機器や兵器の発展もトドメがない。「文明の進歩は未来に幸せをもたらすコウノトリになれるのだろうか」と暗然たる気持ちにさせられる。幸福の尺度は人それぞれ、心の豊かさだろう。

チベット制圧・ウイグル弾圧に続く香港だ。次は台湾か、南シナ海も炎上中。現代中国はかつての帝国主義時代に後戻りしているかのようだ。

理想と謙虚を合わせ持った人物こそが真のリーダー。そのようなリーダー像は現代中国では間違っているらしい。こんなことを考えること自体、国家安全法では御用らしい。

 

非常口がありますように