今になって考えると、私はおかしかったのかもしれない。
なぜだか「旦那の言う通り、彼女をだまして接触をするんだから、彼女がかわいそうだよな。
突然私が行くのはショックかも」なんて思ってしまった。
旦那に、私はすぐ近くにいるからひとまずあなたが彼女と会って、実はこういう事情でかみさんが来てる、と私を呼んでほしいと伝えた。
旦那は「わかった」と言った。
心斎橋の改札に着くと、
何人か女の子が改札の外の柱のところで立っていた。
髪の長い、清楚な感じの女の子がいた。あの子かな。
隣の柱には美人でショートパンツのスタイルのいいモデルのような子。
この子だったらどうしよう。
そんな事を考えていると、一人の女の人が改札を先に抜けた旦那に寄って行った。
「ああ、あの子なんだ」そう思った。
私には22ではなくて30代に見えた。
聞こえてきたのは「遅い!」と旦那に怒鳴っている彼女だった。
ちょっと驚いた。
時間通りに行っているし、会った瞬間怒ってる事にも「?」という気持ちだった。
2人でどんどん歩いていってしまう。
旦那は私の話などする気もないように、「うん、うん、そっか。」と彼女の話を聞いている。
「行きたいお店があるんやけどそこでいい?こっちやねん」
追いかけた。
2人は腕を組んだりしないものの、すごくくっついて歩いていた。
「あ、違うわ!こっちや!」
突然くるりと振り返って私の方に向かってきた。
なぜか慌てる私。
旦那の顔を見た。
私と目が合った。
無視された。
2人の後ろ姿を写真に撮ろうととっさに思った。
でも、2人がくっついている時には、手が震えて写せなかった。
ちょうど離れた瞬間、1枚だけ携帯のカメラのシャッターを切った。
エスカレーターに乗って外に出るようだ。
すぐ後ろに乗った。
「この前いってたあの話やけど、結局○○になって・・」
ところどころ彼女の話し声が聞こえる。
旦那は笑っている。
もう気を失いそうだ。
いつ私の話をするんだろう。
外に出ると彼女が「こっちやねん」と旦那を誘導していく。
「ああ」と言われるがままの夫。
このままじゃお店に入っちゃう。
「あの~!!!!いつになったら私の事を話すのかな?」
と大声で言って旦那の腕を掴んだ。
そのとたん、彼女が目を見開いて私を見た。
でも、
「え?もしかして奥様ですかあ?
いつもお世話になってます~。
いややわ、あんたなんで奥さんが来てるって言わへんの?
恥かいたわ!」
とすらすら私に話しかけてくる。
本当に何もない間柄なら、
ここで「は?なんで?仕事で来たんじゃないの?なに?」ってうちの旦那に彼女が聞くんじゃないのかな。
まあ、まず新幹線の中から「2人で会うのはまずいから云々」というメールを私が彼女に送った時点で、こんなにスムーズに会わないよね。
彼女にとっても旦那は本気の相手じゃないのか?
彼女の行こうとしていた喫茶店、とりあえずそこに行く事になった。
2人が前を歩く。
これもおかしくないか?
