前回のお話
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雅紀の話を聞いて、俺的には衝撃的な気持ちだった。
あの時、酔いつぶれてしまった雅紀を智くんに任せ、俺はそれで安心してしまい、智くんがいてくれてるからそれでいいと思い込んでしまっていたのだ。
しかし、それは間違っていたのかも…
実際は雅紀を悲しませてしまい、俺がしたことはただの自己満足でしかなかったのだ。
良かれと思っていたことが、雅紀を傷つけていたなんて…
俺は…一体どうすれば…
「相葉ちゃん、もういいんじゃない?翔くんだって、もうわかってると思うよ。おいらだって、悪いんだ。翔くんに言われるままだったんだし。」
智くんは雅紀を宥めるようにして、声をかけてくれていた。
「おーちゃん…」
雅紀は、智くんの方を見る。
けれど、また真剣な顔になった。
「おーちゃんは、もういいよ。気にしてくれて、ありがとね。でも、これはおれと翔ちゃんとの問題だから。」
「相葉ちゃん…わかったよ。おいらがしゃしゃり出るのは、おかしいよな。結局は、当人同士が納得できなければだめなんだし。わかった。おいらは帰るよ。翔くん、頑張れよ。あとは、翔くん次第だ。」
智くんは軽く手を上げ、その場からいなくなってしまった。
「おーちゃん、ありがとね。」
雅紀は智くんを見送ってから、俺の方を見た。
「翔ちゃん。翔ちゃんも帰って。おれ…今のままだと、余計なことを言ってしまいそうで、嫌なんだ。ごめんね、翔ちゃん。」
雅紀は作り笑顔を見せ、そして店舗の奥へと入ってしまった。
その時、いつも雅紀とよく話をしている店長さんと目が合った。
その人はジーッと俺のことを見つめてから、奥の方へと行ってしまった。
何か言いたそうな雰囲気のままで…。
俺はその場を後にする。
どうしたらいいのかな…俺は…。
頭の中には寂しそうな顔をしている雅紀が、ずっと浮かんでいた。