瞑想とはいっても、目を瞑るわけではありません(笑)。
サマタ(禅、止瞑想)は、悟りを開くために必要な集中力を養う訓練です。
サマタを実際にやってみるとすぐに気付くのですが、集中しているつもりでも集中できてません。
心はいつも何かを抱えて妄想してばかり、音がすると意識はさっとそちらへ向かいます。
仏教ではこれを「放逸」といいますが、分かりやすく表現するなら「心のふらつき」です。
集中力を高めるとは、心のふらつきを無くすことと言ってもいいでしょう。
さて、まず最初に、集中する対象を決めましょう。
たくさんの対象があって、例えば、怒りっぽい人は死体を対象にするとよいとされますが、現代ではそんな機会はまずありませんよね。
そこでおすすめすできるのは一つだけかな? 鼻か、お腹の呼吸に集中する、呼吸瞑想(入出息念)です。
この呼吸瞑想は、心身の疲労回復にも役立ちます。
さっそく始めましょう。
1.姿勢を正して座る
2.ただひたすら呼吸だけに集中する
これだけです(笑)。
でも、これだけなのにはじめは非常に難しいと思います。
難しいからこそ全身全霊で集中し、同時に体は完全に脱力させなければなりません。
・それ以外のものには一切意識を向けないこと
・快感、痒さ、痛さが起こっても無視すること
・光や、この世のものでないものが見えても無視すること
これをしっかり守ってください、絶対です!
最初のうちは、鼻全体、お腹全体が意識されると思いますが、徐々にその範囲を狭めてください。
鼻なら鼻腔の中の何もない一点に、お腹なら横隔膜の中心か丹田の一点に向かって、少しずつ集中の度合いを高めていきます。
やがて、本当に不思議なことではありますが、一点に集中することで、体のすべて、外の世界さえ無意識に「分かる」ようになっていきます。
人体の不思議です。