2~3年前から気になっていた新感覚ドラマ。来た?!

 

始まったドラマ、始まったドラマ、どれもこれも刺激的で驚いています。

もちろん全部見ているわけではありませんけれど、(金)「笑うマトリョーシカ」、(月)「海のはじまり」、(水)「新宿野戦病院」、このあたりまではまぁ妥当かなと、思っていたら(予想以上の面白さでしたが)、全然期待していなかった(木)「ギークス」まで面白い。これにさらに日曜劇場(二宮和也さん)とか、「西園寺さんは家事をしない」(松村北斗さん)とか加わるとしたら、今シーズンはとんでもない激戦になるのでは?ついに、ドラマ新時代の幕開けか?!

 

 

ここ2~3年、突き抜けたドラマがポロンポロン出ていて・・・たとえば2022年の「ミステリと言う勿れ」とか「17才の帝国」とか「Silent」とか「恋せぬふたり」とか、2023年は「エルピス」とか「VIVANT」とか「ブラッシュアップライフ」とかとか(ほかにもいろいろ有りますが)、これまでのドラマと違う、新しい試みのあるドラマ、新しい価値観を投げかけるドラマが目につくようになりました。「時代が変わった・・・つまり、世の中の、私たちの価値観が変わったんだなぁ、と、思ったりしましたけれど、もちろん全部がいっきに変わるわけでもなく、しばらくは変革型と従来型が混在するのだろう、と、思っていました。が、今シーズンのラインナップを見ると、おっ、一気に変わるのか?!とドキドキします。

 

 

 

 

  めずらしい安楽椅子・推理

 

このなかで『ギークス~警察署の変人たち~』はちょっと異色ですよね。ほかのドラマが正統派、シリアス派なのに対して、こちらは ゆるキャラ派。軽めのドラマなんですが、でも、それでも どうして面白いと思ったか、と言うと、「安楽椅子・推理」だったからです(正しくは「アームチェア・ディテクティブ」。事件現場に出て行かず、書斎のひじ掛け椅子で、来訪者や集められた情報で推理するという探偵ものパターン。代表的なのはシャーロック・ホームズですね。このパターンの事件ドラマって珍しい。 あえて言えば、あまり動き回らないという意味で『古畑任三郎』でしょうか?・・う~ん名作すぎる・・ちがう・・)

 

 

1話は、結婚式の披露宴で事件が起きます。

でも、「ギークス」の3人、鑑識の松岡茉優さん、産業医の田中みな実さん、交通課の滝沢カレンさんは、事件捜査とほとんど関係なく、今日もノー残業、定時退社で居酒屋に集まっています。

そこへ同僚の刑事(中村蒼)が来て事件の話をし(居酒屋でするなよプンプン)、式場の見取り図を見せます。「表玄関からも、西玄関からも、出られないはずなんだ」と行き詰まっていると、鑑識の西条(松岡茉優さん)が「・・だったら逃げていないンじゃないですか?」と呟きます。

「じゃあ犯人は事件後もずっと式場内にいたってことか?!」

 

 

 

と、まぁ、こういう感じで、杉下右京ならサッサと気づくところです。そういうシンプルな推理なのですが、松岡茉優さんいい仕事してます。ところが、ところが、ネットでは「松岡茉優の無駄使い」という声もあるみたいです。そうですかね?今後の展開によっては面白いのじゃないでしょうか? さっき”杉下右京ならサッサと気づく”と言いましたけれど、西条(松岡茉優さん)がそういう切れ者キャラクタになるとしたら、新しい領域開拓じゃないですか? これまで ちょっとクセモノ系のキャラが多いイメージですけれど、切れ者キャラクタのイメージを獲得できれば、また新しいドラマ主演が期待できそうです。「無駄使い」かどうか、最後まで見届けたいと思います。