流行語大賞は「憲法第１４条」に！
相変わらず『虎に翼』が快調です。以前 どなたか「朝目が覚めると、ああ、今日は『虎に翼』どうなるのだろう？と思いながら起床する」と言われていて、何人かいて、はいはい、わたしも同様です。さすがに寝起きに思い出すことはありませんが、たとえば昼食前などに『あ、今日はどうなってるんだろう？』と思い出してウキウキしながら家路につくことがあります。
そして最近思ってます。
今年の流行語大賞、「憲法１４条／すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分 または門地により、政治的または社会的関係において、差別されない」・・・にならないかしら？と。全文は長いので、「憲法１４条」で登録されれば良いと思います。
もしそうなると、テレビで「ことしの流行語大賞は憲法第１４条・・・」と紹介され、中身もしっかり語られるはずで、何度も聞いているうちに ひょっとしたら幼稚園の子から 闇バイトに応募しそうな若者から まだまだセクハラ、パワハラしている人から 子育てに疲労困憊しているママから 第二の人生をはじめようとしているシニアから、いろいろな人が「すべて国民は法の下に平等！」を思い出し、あるいは初めて知って、勇気づけられないでしょうか。
ちょうど私たち視聴者が『虎に翼』で、あの河原のシーンで、感動して「おお～っ！」と声をあげたように。
あらためて「憲法第１４条」に出会った人々が「おお～っ！」と声をあげ、新しい力が湧くと良いな、と。
もちろん「憲法」が「流行語」として取り上げられるのは問題だ！と言われると思うのですけれど、まさか、流行語大賞に取り上げられたからと言って、では、次の年に憲法が消えるわけではなく・・・個人的には、許されると思うのですが？
それが『虎に翼』の神髄だと思うから
まだ梅雨、これから夏という時期に「流行語」は早すぎるだろう、と言われそうですが。２つ理由があります。
一つは、今年の流行語大賞は「はて？」が良い・・・という話が出ているのを時々見かけるからです。それに待った！をかけたいことが一つ。
なぜ「はて？」ではなく、「憲法１４条」なんだ？！と問われると、説明が長くなるので止めますが、乱暴に言えば個人的な好みでしょうか。ピーマンより玉ねぎでつくる料理のほうが多い・・・みたいな。乱暴すぎる。すみません。
そしてもうひとつは、それが『虎に翼』の大テーマだと思うから。
戦後のあたりから、脚本家さんちょっとパワーアップしている感じで、私たち（良い意味で）振り回されていませんか？
たとえば、戦後再会した轟（戸塚純貴さん）に、よね（土居志央梨さん）が「惚れていたんだろ、花岡に」と言い、轟も「わからない」と答えたシーンで、ネットはいっせいに「LGBTを取り上げるのか？」と騒ぎましたね。
また香淑（ハ・ヨンスさん）と再会した寅子が「ヒャンちゃんだよね？」と呼びかけると、「その名前で呼ばないで」と拒みました。すごい描写を入れてくるな～と驚きました。ひょっとしたら脚本家さん、朝鮮と日本の溝を、日本人の差別意識を描くつもり？・・・ここを広げるとしたら、もはや朝ドラの範疇を超える・・・でも、やってほしい・・・と思いながら見ていましたが、さすがに展開しませんでしたね。でも、爪痕はしっかり残しました。
これまでだったら取り上げない事を、今回の脚本家は次々と織り込んできます。もうビックリのし通しです。右へ左へ、自在にハンドルを切って、どんどん世界を膨らませていきます。
そして思い切っていえば、最近の展開は、寅子（伊藤沙莉）が法律の世界に進んだ前半と、かなり様子が違ってきたような気がします。
もはや新しい法律は女性差別を許さず（法律通りにはいかないけれど）、ドラマの方向は大きく変わっています。
戦後すぐには、戦争孤児の問題が取り上げられ、同窓の花岡（岩田剛典さん）は闇米を拒否して餓死、そして再会した梅子さん（平岩紙さん）は遺産相続問題で家庭裁判所をおとずれ…というように、人々がかかえる問題は範囲を広げています。
そうして物語が混沌とすればするほど、あの河原のシーンを思い出すのです。
「すべの国民は法の下に平等」と読まれたときの、パ～ッと！目の前が開けたような感覚。すべてを打っちゃってしまう力強さ。あれが、やはり、『虎と翼』の大テーマだと思います。
が！！、来週の予告を覗いてみたら、なんと、岡田将生さんが登場とのこと。しかも「運命の出会い」と書いてある。うそ～？！寅子は恋するのか？なんと羨ましいこと！
今後の展開しだいでは「憲法第１４条」推しを訂正しないといけないかも。岡田将生さんだからな～、強力すぎる。どんな展開になっても許しちゃうぞ
