歴史的な名シーンに立ち会ったような

 

怒涛の逆転劇、痺れました~。明墨(長谷川博己)と伊達原(野村萬斎)の丁々発止のリーガル・ファイト、息を忘れて見入った人も多いのではないでしょうか。わたしとか。

それって、ちょっと大げさに言えば、たとえば2022年の サッカーワールドカップで日本がドイツに勝った試合とか(そのあとスペインにも勝った!)、2021のラグビーワールドカップでスコットランドを破りベスト8に進出した瞬間とか・・・そういう”歴史的名シーン”をリアルタイムで目撃したような興奮に似ているような気がします。

 

 

 

圧巻の裁判シーンでしたが、でも、最後にもっていったのは緑川(木村佳乃)かな~?

意外と声が通るんですよね。女優さんは一般的にどうしてもキーが高いので、周囲を制圧するとき迫力不足ですが、彼女の声は堂々として迫力があります。セリフも聞きやすい。”演技”も年々ウデを上げているように思います。なんというかキャリアを積んで自信をつけている感じ、最近はどんな役をやっても”世界”をつくってる照れ

 

 

 

そして今回のこのシーン!

資料室に入る伊達原(野村萬斎)を撮影するために小型カメラを仕込んだ、という明墨(長谷川博己)に、「そもそもきみの部下は警察内部に侵入できるはずがない!!」と叫ぶ伊達原(野村萬斎)。

「ええ、そうでしょうね。入れるのは限られた人間のみ。警察内部の人間とか、もしくは・・・検察官とか」

 

 

伊達原がハッとして検察官、菊池をにらみ、そして・・・緑川を見つめたとき、それまで下を向き無表情だった緑川(木村佳乃)が、しだいに表情をゆるめニンマリと笑った! 怖いよ木村佳乃さん!

 

 

そしてすくっと立ち上がり怒りをこめた表情で言います。「不正の疑惑がある人間に対して、真実を追い求めるのは検察として当然の使命ですよね。それが身内であればなおさらです。 だって検察の恥ですから。 ちなみにこの件は検事総長も了承済みです。」

もちろん、このセリフ、ちょっと前に伊達原(野村萬斎)が得意げにアピールしていたセリフです。緑川やるな~。怖いな~。敵に回したくないな~。

 

 

 

最後にカッコいいところを全部かっさらっていった木村佳乃さんしかり、若き戦力から、次代へぐんぐん成長する面白さを見せてくれた北村匠海さん、堀田真由さんしかり、明墨の絶対的な懐刀だった林泰文さんしかり、9話ではすっかり欺いてくれた大島優子さんしかり、(『虎に翼』の100年後の後輩でしょうか・・瀬古判事を演じた)神野三鈴さんしかり、演技の上手さを再認識した藤木直人さんしかり、そして志水死刑囚を演じた緒形直人さんの壮絶さしかり・・とにかく全キャストが見事な演技を見せて、(ちょっと大げさに言うところの)歴史的な名シーンを成立させたと思います。

ついでに言えば、野村萬斎さん、明墨を責め立てる演技も良いけれど、緑川にやられた!と気づいたときの 信じられないという顔、絶望感、追い込まれたときの表情が良かったです。エラソーに言って申し訳ないですけれど、やっぱり萬斎さん名優です。またぜひドラマを楽しませてくださいね爆  笑

 

 

 

 

  ここかぁ~!

 

緑川(木村佳乃)が全部もっていった、と、書きましたけれど、最後の最後、やられた~!と飛び上がったシーンはここです。皆さんも同様でしょうか。

 

ラスト(拘置所にいる)明墨と面会した赤峰の語り(暗く照明を落とした演出は、1話で明墨が語るシーンを彷彿させます)

「ずっと考えていました。法律とはいったい何なのか。罪を償いやり直すためにあるのが法律だと、前まで思っていました。でも今は知っています。罪をつぐなったからといって許してくれるほど世の中甘くない。公平でもない。そんな不条理と戦うためにアンチヒーローが必要なのかもしれません」

 

ぐっと前に身を乗り出し

「だから今度は僕が、あなたを無罪にして差し上げます」

 

きゃ~!~ここかぁ!!ここにつながるのかぁ!思わずソファから跳び上がったのは私だけでしょうか。スタッフさんやってくれましたね~!最高~!

 

 

 

 

 

今日はこれで終わりにします。

ほんとうは裁判のシーンを整理して書くつもりだったのですが。

 

 

なにしろ、もともとは、明墨(長谷川博己)の「証拠隠滅」の裁判だったのに、いったい どこで 12年前の「糸井一家殺人事件/志水死刑囚の冤罪を問う」裁判に変わったのでしょう?

あまりに上手く作られていたので、すっかり流れに乗ってしまい、あとで「あれ?」・・・と思って。

でも、緑川さんのことを書いているうちにすっかり方向が変わりました。ま、いいか。機会があれば、また。です。