朝から衝撃。とんでもないものを見た?!

 

今朝たまたまEテレをつけたら、何やらアニメーションをやっていて、朝食をかじりながらちらちら見ていたら・・・いや、いや、子ども向けのアニメじゃないぞ・・・何?これ?! なんだか凄い動きをしてる・・・そのまま最後まで見てしまったのが、『クボ 二本の弦の秘密』でした。

■原題:Kubo and The Two Strings 

■3Dストップモーションを用いた冒険ファンタジーで、制作はアニメーションスタジオのライカ 2016年制作

 

アカデミー賞(長編アニメーション賞、視覚効果賞ノミネート)、アニー賞3冠、ゴールデングローブ賞(アニメ映画賞)などなど映画賞を総なめしている名作でした。なんだか朝から凄いもの見ちゃったなぁ、という感じです。

 

 

 

たぶん作品を見られたかたは少ないと思うので(わたしも今朝、たまたま・・でしたから)、できるだけ簡単にいきます。2点。

 

 

 

  クギ付けになった動き

 

主人公のクボは7~8才くらいの少年ですけれど、彼が三味線を弾くと折り紙が勝手に動き出し、鳥や戦士や虫や花に折られていきます。、その動きの鮮やかさ、美しさ、カッコよさ、滑らかさが圧倒的で・・・ディズニーのそれとまた違うんですよね・・・どちらもすごくリアルですけれど、ディズニーはあくまで夢のようなファンタジーで、『クボ』は(折り紙が鳥に変わるシーンでも)戦闘的というか、尖っているというか・・・「トランスファーマー的」なのです。力強い。たまたま闘う物語だから、かもしれませんけれど、今まで見たことがない動き、くぎ付けになりました。

 

 

ところで「ストップモーション・アニメーション」ってご存じでしたか?わたしはまったく知りませんでした、つまり、模型をつくって1コマずつ動かしながら撮影する技法のようです。ん?昔からある技法では?・・・と思ったりしますけれど、理屈はとにかく、少年や戦士や、動物たちや、洞窟で戦うガイコツや、海や山や空や・・・動きの素晴らしさに圧倒されてください。もし、見る機会があれば。

 

 

 

 

 

  「この映画をアメリカ人が作ったと言うから二度驚く」、鈴木敏夫さんも驚いた

 

物語の舞台は古き日本です(平安時代くらい?)。女性たちの衣装は「光る君へ」(NHK)のような重ね着で(十二単ではないけれど)、かぐや姫とか竹取物語の寓話もストーリーに取り込まれています。もちろん四季も描かれています。

何よりクボは三味線を弾きます。三味線で折り紙を操るという「不思議な力」を持ちます。平安時代なら琵琶だろ?と言われそうですが、ここはやはり津軽三味線の力強い旋律が必要です。最後はビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」をカバーするのですから、そりゃ三味線でしょう。

 

 

監督は、トラヴィス・ナイトさん。

お祖父さんがナイキの創業者で、アニメ制作会社「ライカ」を経営しているのだそうです。すごい・・・・

 

 

ジブリの鈴木敏夫さんがコメントされているように「これをアメリカの監督が作ったことに すごく驚きます」 

こんなに違和感のない日本を描いた作品を、わたしは他に思い出せません。そのことに感謝したいと思うと同時に、監督が心を寄せたのは「古い日本」であって、今の日本はどうだろう?・・・下を向いてしまいます。