お寺での挙式が素敵でした

 

最終回ラスト、大地くん(中島颯)と円さん(東啓介)が まさかの紋付き袴。お寺で結婚式を挙げるのを見て、グッときました。誠さん(原田泰造)は号泣しているのを家族から嫌がられていましたけれど、泣いてしまうのわかりますよ~。

 

 

もちろん二人が苦しんできたプロセスを見てきたからということもありますけれど、同性婚をちゃんとやってくれるお寺があるんだ…ということも小さな発見で、グッときました。

 

 

ググってみたら、それほど多くありませんでした。とりあえず6寺院が紹介されていましたけれど、大地くんたちが挙式した寺院は「天台宗瑞光山 最明寺」(川越市)だったようです。誓紙にちゃんと明記されていましたね。

 

 

 

なんというか、このドラマは最初から最後まで「攻めてる」というか、逃げないというか、リアルを大切にしている感じが、新しく感じました。パターン化していないのが新鮮でした。大地くんたちの結婚式もレストランとか民間の式場でもっとシンプルに進めることもできたはずです。が、それをわざわざ紋付き袴、(歴史の重みがあって、制約が多いはずの)寺院で、というところに”時代の変化”を感じたし、二人の覚悟を見た感じです。いや、単に、仏前結婚式が好きだったから、見た目にかっこいいから、かも、しれませんけれど爆  笑

 

 

 

 

  みんなが一生懸命で、ズレていく

 

結婚目前に登場した大地くんのお父さん(相島一之)は強敵でした。いや、”強敵”というのもちょっと違いますね。大地くんパパ(相島一之)からすれば「これから厳しい世間に出る息子が苦労しないように 正しく導きたい」と思うのは当然で、そこに口出しする誠(原田泰造)たちのほうが 無責任でおせっかいで、敵です。

 

 

世の中は、こういう”お互い様のズレ”でいっぱいです。いや、むしろ”ズレ”がないほうが奇跡でしょう。

 

大地くんパパ(相島一之)の言い分を理解した誠たちは、いちどは「様子を見よう」と身を引きます。

しか~し結局、放っておけない。「好きは止められないんだ…!」ということを家族みんなが確認して、ついに大きなお世話を焼くことに決めます。そして家族全員で、レストランへ向かいます。

 

 

 

 

  まともなのはお父さんだけ?

 

まず翔(かける/城桧吏)が学生服を脱ぎ、フリルフリルしたブラウスを見せて言います。「僕はこういう恰好が好きなんです」。

お姉さんはTシャツを見せて「彼らは宇宙の平和を守りながら、愛を育んでいます」と叫び…そこで大地パパ(相島一之)が「漫画の話?」と聞いたのは、案外良い人かも…思った…、

ママもTシャツを見せながら「いい年をしてハマリまして」と「推しのソジュン」を指さし…家族全員が「自分の好き」を話します。

 

 

「あなただけが まともなのか…」と言われた誠さん(原田誠)。

いや、自分が一番危なかった…と話します。どんどん鈍感になって、壁をつくって籠っていた自分を、新しい世界に連れ出してくれたのが大地くん(中島颯)だった。

ここから誠さんが話すセリフが、このドラマで一番刺さったセリフです。

 

 

 

  笑うまでの時間どれだけ泣いたんだろう

 

翔(かける/城桧吏)の部屋で 大地くんと初めて会ったとき、誠さん(原田泰造)は「君といて ゲイがうつったら困る」と責めました。ひどい…

 

すると彼は一瞬黙って、そして次に「フフ…フフフッ」と笑い出した。

「ゲイはうつったりしませんよ」

 

「なんて はつらつとした思い切りのいい子なのかと思いましたよ。でもね、あの時、笑うまでの時間に大地くんがどんなに泣いたんだろうって、だんだん気がつきましてね。」

 

 

そうなんです、あのときのシーンがここで映されます。

一瞬言葉を飲んだ大地くん(中島颯)が、誠さんを見つめる表情…(おばちゃんから見ると)あどけない表情だけど…そうか、泣いてたのか…と思うと、もう…。

名セリフが多いこのドラマの中でも、いちばん刺さったセリフでした。

 

 

 

そして夕暮れ。

大地くんを家(病院)の外でまっていたお母さん(松下由樹)。「はじめてのおつかい」? 心配でしたよね~。

 

大地:「お父さんにも認めてもらいたかった」

母:「うん。知ってる。」

大地:「でもいつか、もしかしたら…」

母:「どうだろうな…。でも私はずっと あなたが選ぶほうにいる。すぐ近くに」

 

ここも良いセリフですよね~。「ずっと、あなたが選ぶほうにいる」って、なんて繊細でクレバーで愛情に満ちた言葉なんでしょう。

 

 

 

 

  全員が主役みたいでした

 

もうひとつ。このドラマが好きだった理由が、登場人物が全員たいせつにされていたことです。

たとえば翔(かける/城桧吏)の野球部の仲間は、ほとんど出番がありませんでしたけれど、

長谷川君がニキビ相談をしたり、翔(かける)が退部届を出したときは「逃げるのか?!」と絡んできたり、たったそれだけですけれど、インパクトを残しました。誠さんの会社の社員さんや先輩もそうですし、登場する人物たち全員が たいせつに描かれたという感じがあって、好きでした。すごく良いドラマだったと思います。タイトルだけが最後まで馴染めませんでしたけれどえー