面白い企画だった

 

22日から3夜連続で放送された『脚本芸人』…驚きました。

芸人さんが、しかも3人が、脚本を書く?

脚本ってそんなに簡単に書けるもの?!…疑心暗鬼で見たのですが…みごとに”成立”していました。面白かった~。皆さん素晴らしいです。

 

 

解説を見ると、

『キングオブコント』(TBS系)や『THE W』(日本テレビ系)を制した文才あふれるコント職人・吉住、水川かたまり、岩崎う大の3人が脚本を1話ずつ担当し、3夜連続で放送…

 

 

なるほど~…! もともと”文才”が認められていたわけですね。

そういう解説を頭に入れてみると、たしかに、1話1話は、コントの拡大版でした。

そして、それがつながってひとつのドラマになる…まぁ、いわゆる「オムニバス」形式ですね。

久しぶりに見た感じです。

 

 

よくぞ、こんなことを思いついたな~。

そして実際に番組までこぎつけたな~。

これを企画したプロデューサーに殊勲賞をあげたい。

 

 

 

第1夜は、吉住(よしずみ)の脚本

 

3話の中でも、この1話がいちばん見やすかった…素直な脚本だと思いました。

 

 

湾岸テレビのエントランス 警備員に藤木直人

ドラマ撮影で毎日のように訪れる女優・小森カナに趣里。

彼女は「顔パス」で通れる女優になることが夢で、毎回、「お名前は?」と聞く警備員にイラつき、ひと悶着を繰り広げる…という展開ですが、

 

後半になって、実は小森カナの母親もむかし女優であったこと、

そして、警備員がマネージャーをしていたことが明らかになり…

攻撃的だった彼女が素直になって…というドンデン返しがあったのですが、

いや~とんでもない、それは起承転結の<転>にすぎす、

なんと、最後の最後、<結>、

小森カナが万引きの常習犯で逮捕!…というニュースが飛び込んでくる!

 

 

 

 

そして第2話は、「空気階段」の水川かたまり 脚本

 

この逮捕劇をうけて、大慌てだったのが「ホット野々村のほっと散歩」というバラエティ番組。

小森カナがゲスト出演していました!

明日の放送までに、彼女が出演しているシーンを全部削除しろ!と指示が出ます。

さぁ、大変。

 

 

若手ディレクターの布野(知念侑李)は、急遽呼び出された 大ベテランの編集マン鳥越(遠藤憲一)と組んで、明日の朝6時までに この難局を乗り越えようとします。

 

う~ん…この2話は、若手テレビマンと、いろいろ経験して もうあきらめたという大ベテランの”ギャップ”から生み出される 可笑しさ、喜怒哀楽…を描こうとしたのだと思いますが、もうひとつインパクトに欠けましたかね~。

いや、辛辣な感想…いいのか?…

 

 

 

ラスト。第3話は「かもめんたる」の岩崎う大

 

 

その削除したビデオ(バラエティ番組)を放送した日から、クレーム電話の嵐。

第3話の舞台は、テレビ局の「視聴者センター」…いわゆる「お客さま苦情電話 窓口」ってところですね。

 

電話の中には「よくやった!」という意見もあるけれど…ほとんどが、「ちよっと犯罪を犯したからって、あそこまでやるのは酷い」という クレーム…

関係ない話を延々とする客もいて、オペレーターたちはパニックです。

 

この第3話、最後はホラーサスペンスになったし、

最後の最後は、「湾岸テレビ視聴者センターでは新しい仲間を募集しています」というCMになったし…ぶっ飛びすぎだろう…訳わからん…みたいな部分はあったのだけれど、

視聴者をくぎ付けにする30分(40分?)だったと思います。やるな~。

 

 

 

 

俳優さんたちも、脚本を活かした

 

 

とくに1話は藤木直人が出演したのが大成功ですね。

 

いや、もちろん、1話の趣里、2話の遠藤憲一、3話の酒井若菜、佐久間由衣…みんな、俳優さんたち力を発揮してくれましたけれど、

※趣里は、変な役やらせたら天下一品だわ

佐久間由衣も、今回は ひと皮むけたのじゃないか…というくらい、破天荒な演技を見せました。

 

 

さて、藤木さんですが、

私などは たまたまテレビをつけたら藤木直人が出ていたから、見続けた…。

こういう言い方も厭らしいのですが、”大物俳優”が出ているなら、面白いのかも…と思ったのですね~…テレビは偏見のかたまりやで…

 

 

そして見ていると

「どうしても顔パスで通りたい」と粘る女優・小森カナのエキセントリックな態度にも、まったく振り回されることなく 冷静に「お名前を…」と応じる藤木直人の たたずまいが素敵で、ついつい最後まで見てしまいました。

そして1話が良かったから、2話、3話…とコンプリート。

 

 

 

脚本家にとって、どんな”芸能人”が演じてくれるのだろう…という問題はすごくドキドキうしますよね。話を活かすも殺すも、演じてくれる役者さん次第なんですよね。

 

 

今回の企画は面白かったと思います。

『プレバト』という番組でも、水彩画とか色鉛筆とか、もちろん俳句とか、びっくりするような異才を発揮する芸能人のかたが多くて、見るのが楽しみですけれど、

さらに、いろいろな角度で、いろいろな人の可能性が発掘されると嬉しい。