病室に来るとあの頃を思い出すよ

私にとっては地獄の日々
涙しない日はなかったなぁ
とういか、感情も時の流れも何も感じなかった

目の前には反応の無い我が子
昨日まで、走って喋って遊んで笑って泣いて怒って
ママって呼んでくれた

ママって呼んで

そう思いながらひたすら泣いてた
見るもの全て思い出すどの景色どの記憶にもS君がいるんだよ
S君のいない時間なんて存在しない
辛すぎたよ
でも現実はこうだった
お姉ちゃんも泣いた

今でも、こわい
思い出す事も、
途中で切り替えないとおかしくなりそうなくらい
鮮明に思い出す事なんてまだできない

長い入院で、S姉ちゃんに会えずで、
テレビ電話で、
変わり果てたS君を見せるとS姉ちゃんは何を思うだろう…
テレビ電話をする事をずっと躊躇っていた
でも、S君に姉ちゃんの声を聞かせたい
思い切って電話をすると、
S姉ちゃんは言いました
「可愛い!」って
白目をむいて喋らない動かないS君を見て、
そう言った
嬉しくて涙が出た
子供って何なんだろう
触れてはいけない程純粋な何か

私は汚れていた

見た目?喋らない事?白目?動かない事?ご飯を食べられない事?
普通普通って言うけど、普通って何?
白目だと普通じゃない?
動かないと普通じゃない?


S姉ちゃんの一言で私は目が覚めた
二人とも純粋で一生懸命だ
堂々としよう!

この子達を絶対に汚させない!
悲しませない!

誓ったの
未来なんて誰にも決められない!
楽しいと信じきってる!
私達が私達の未来をそう決めた!
いっぱい遊ぶ!
絶対楽しい!