総合もくじ ☆ a guardian angel ~守護天使~
初恋はScandalous
(SIDE キョーコ)
それは、突然の出来事だった 。
アイツが…世界の中心だった16年という長い年月…
今はもう、思い出すことさえ腹立たしい歴史の数々が…
まさか、こんな形で…世間に知られることになるなんて!
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それは、終盤を迎えたドラマ『BOX”R”』のロケ先で起きた。
平日のセンター街、午前中から始まったロケは…終了予定をオーバーしていた。
あと1シーンを撮り終えれば、上がりなのに、その前のシーンで主役の彼女が…嵌ってしまった。
仕方なく、休憩をとることになって…その間、私たちは近くのショップで時間を潰すことにした。
そこへ…突然、アイツが現れた。
「…キョーコ!」
ざわざわと…急に周囲が騒がしくなったのは、アイツが目深にかぶっていた帽子を脱いで…私の名前を呼んだから。
だけど、私はアイツを視界に入れようとはしなかった。
まるで知らない人のように、関心さえ見せずに、素知らぬふりを決め込む。
そんな私にアイツが近づいてくる…すると、そばにいたツグミが私に耳打ちしてきた。
「ねぇ…ナツ!ナツってば…不破尚と知り合いなの??」
「……」
ツグミの言葉には応えずに、私はクスッと静かに笑みを零した。
「…ねぇ、ちょっと…まずいんじゃない?
彼…こっちに向かってきてる…移動した方がいいんじゃない?」
カオリが周囲の視線が集まってることに慌て始めた。
だけど、この時の私には…『ナツ』が憑いていたから 。
「あら、どうして…?…関係ないじゃない…アタシ、あんな人知らないし…
ね、それより、コレどぉ?可愛くない…?ん~…こっちの方が似合うかしら?」
新色のリップを手に取りながら、カオリに話しかけた。
「おいっ、キョーコっ!…聞こえてるんだろう?…」
すぐそばまでやってきたショータローをみて…ツグミは少し興奮気味にカオリの肩を揺さぶった。
そんな様子を遠巻きから天宮さんが見ている。
「…キョーコって…アタシのこと?」
「…お前以外にどこにいるっていうんだよっっ?」
「何か用?…もうすぐ、撮影が始まるの…邪魔だから帰ってくれない?」
仕方ないわね…という顔で言い返せば、まるでジャイ○ンみたいにお決まりの言葉を言う。
「なっ…キョーコのくせに…用があるから来たに決まってるだろう?!」
「…アタシには無いわ」
本当に変わらない…今もショータローの目には昔のアタシに見えているのかしら…
『地味で色気のねー女…』
ショータローに捨てられた時の言葉は…私の中に深く刷り込まれている…。
だけど、プリンセス・ローザ様を身につけている私には、魔法がかかっているから。
そう、ナツを演じてから…私へと向けられた賛辞は、私に自信をくれていた。
「なっ…とにかく、ここじゃ、目立ちすぎるから…ちょっと来いよ!」
そう云って、腕を引っ張ろうとしたショータローを交わして、言い返した。
「だーかーらー、あんたって…バカ?アタシはアンタなんかに用は無いって言ってるでしょ?」
それじゃ…とカオリ達を促してショップを出ようとした私に…
「…お前…アイツとどうなってるんだ!!」
すごく怖い顔で…ショータローが叫んだ。その声に…周囲の視線が集中する。
「アイツ…って誰のこと?」
大きくため息をつきながら、そう訊き返すと…アイツがまた近づいてきて…
「この間のは…何なんだよ?アイツと仲良さそうに並んで…まるで」
わざわざ、私の撮影現場までやってきて…どこまでイヤガラセすれば気が済むの?
イライラしてきた私は…蔑むような目でショータローを見てナツの言葉で言い返した。
「この間…?…何のことを言ってるのかサッパリわかんないわ?」
「…アレだけじゃ足りなかった…ってことだよな…」
「…って…一体何の…んんっ…」
何が起きたのか…わからなかった。
突然、目の前が暗くなって…両頬を押さえられたと同時に塞がれた…唇。
周囲から聞こえてきてた黄色い声が…悲鳴に変わり、目の前に見えたのは目を瞑ったショータローの顔だった。
「…んんっ…」
まさかのベインデーの再来に、状況を理解する間もなく、私の中に入ってきた生温かい感触。
( 私、ショータローにキスされてるっっ!!)
動揺する私の耳から…周囲の声が聞こえなくなっていく。
…ショータローにキスをされて、浮かんできたのはあの人の顔。
『二度目は…無いよ…?』
( どうしよう、どうしよう…私、誓ったのに…あの人に…この純潔を命に変えても守るって…)
どんなに抵抗しても、…唇を離そうとしないショータロー…だから、私は、その唇を噛んでやった。
「っ…」
それなのに…それでも、ショータローはキスを続けた。
「ちょっと!やめなさいよっっ…あんた達!今撮ったの消しなさいよ!!」
突然、聞こえてきたのは天宮さんの声…
( え?…嘘?!…写真を撮られた?? )
ドンドンとショータローの胸を叩いて、やっと…キスから解放された。
ハァハァッと…息を整えた私が睨みながら見上げると、ショータローは
唇から滲み出た血を拭いながら…人とは思えない形相ですごく怒ってた。
( ちょっ…いくら何でもその顔は…っっ )
初めて見る人外の顔つきをしたショータローに圧倒されながらも…
唇を噛まれるようなことをしたアンタが悪いのよ…と、言い返そうとした。
「…なっ…何よ…アンタがいけないんじゃっっ…」
「…お前が悪いんだ…」
私の声を遮るように…俯いたまま、ショータローが叫んだ…。
いつもと違う様子のショータローに、一瞬、呆気にとられてしまった。
その後で、沸々と沸き上がる怒り…何でアタシが悪いのよ?!と…思わず素が出てしまった。
「はぁ??」
…まったく!!訳がわからないにも程がある!!なんでアタシが悪いのよ???
「…アイツにはやらないっっ…お前は…」
話の途中で、騒ぎを聞いた祥子さんがかけつけてきた。
「…ちょっ…尚?!これは…どういうことなの?もうっ…こんな騒ぎを起こして…とにかく、はやくこっちに来て!
ごめんなさい、キョーコちゃん、後で連絡するから…尚!早くここから移動するのよ!!」
祥子さんに引き摺られるようにして、ショータローは去っていった。
そこへ…どこに行っていたのか、息を切らせながら天宮さんが戻ってきた…。
「…まずいことになったわね…京子さん…」
「…えっ?」
「さっきの…結構な人数に写真を撮られたわ…
カオリ達と何人かは掴まえて、データを削除させてもらったけど…ダメね…
もう…呟かれてるわ、ほら…」
そういって…見せられた携帯には…私とショータローがキスをしてる写真がアップされていた。
あれ…レオン君の続きは?? と思った方…ごめんなさいっっ
スキャンダラスな純愛…久々に尚ちゃんが書きたくなっちゃったのさ~w
きっと、蓮さんだけじゃなく、彼にとっても初恋…
恋愛ビギナーな二人に振り回されるキョコちゃん…
とはいえ、尚ちゃん…人気ないんだよな…。
私はスキビに関してはどのキャラも好きなんだけどね~w
まぁ、何が書きたかったかといえば~
二度目…を知った蓮さんと~~
マジで、すっぱ抜かれてもおかしくない歴史を持つ
あの過去がバレタラどうするんだろう…っていうところなんですが…
例によって行き当たりばったりで始めてますので…完結できるかどうか…
ガンバリマス…w
あと、レオン君の方は…ここでUPしててもいいのかな~と思う様な
展開を考えてるので、もしかしたら…サブへ動かすかもしれないデス。
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