闇に魅せられて  ~ 恋に堕ちた二人 ~ 15 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel ~守護天使~


十字架 闇に魅せられて ~ 恋に堕ちた二人 ~ 


a guardian angel


(それまでのお話) 前編 後編 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話 12話 13話 14話


(SIDE 村雨)


やっちまった~~~~~っっ


昔からそうだった…つい、調子に乗って大口を叩いてしまうクセ…

そのせいで何度自分の首を絞めることになったか…


「…相手がいようとも…俺を選ばせればいいってだけの話…」

彼女に相手にされてないって言うのに…何が俺を選ばせればいい…だよっっ

しかも、キスしようとしたら…嫌がられた…ガクリ


いや、それよりも…撮影を控えた共演者相手に…しかも相手は高校生だっていうのに、大人げない自分の行動が恥ずかしくなってきた。

そんな自己嫌悪で凹みまくった翌日、…スタジオ入りした俺は、彼女にまた驚かされた。


昨日のことで撮影に影響が出たらまずいな…と、心配しながら彼女の姿を探す…。

メガネをかけた…マネジャーらしき男と話していた彼女が俺の視線に気づき、軽く会釈をしてきた。

避けられるんじゃないかと思ってた瞳は、まっすぐに俺に向けられて…

クスッと笑みを零したその艶めいた表情に…本気でドキッとさせられた。


「///」


「おっ…京子の奴、もう入ってんな~」


背後から聞こえてきた監督の声に振り返ると、周囲のスタッフも、彼女に見入ってる。


「本当、ナツになってる京子ちゃんは別人ですよね~…///」


感嘆の声さえ上がる…どうやら、この現場では撮影前から役になりきっていることは、珍しいことじゃないらしい。

そういえば…昨日のガールズトークの中でも、彼女達は役のままだった。

そんな彼女を見て、俺も気持ちを切り替えた。

俺だってプロの役者…今は与えられた役に向き合うのが最優先だ。



俺が演じるマサヤは、妹の話ばっかりする彼女を心の中で少しうざいと思ってた。

元々そんなに好きじゃなかったんだろう…。そんな時、その話題の人物…ナツに出会った。


「あっ、マサヤ!あの子よ!うちの妹を苛めてるヤツ…」


仲間と一緒に誰かを待ってるのか…

雑踏の中でネイルに視線を落としながら佇んでいる姿に目を奪われた。

…まるで、彼女以外の世界が色を失くしたみたいに、彼女だけが輝いて見える。

隣りでずっと彼女の悪口を並べてる恋人の言葉なんて耳に入らなくて…

彼女に見惚れていると…目が合った。

彼女はそんな俺を見て…クスッと妖しく微笑んだ。


俺はその瞬間、…彼女に完全に落された。


ナツは…偶然を装ってマサヤの元に訪れた。

彼女にとってそれがゲームとは知らずに…彼女に嵌っていくマサヤ…

そんな変化に気づいた恋人が泣き叫んで…そんな修羅場でさえ、冷笑を浮かべるナツ。

マサヤは…そんなナツに焦りを覚える。


「マサヤは…騙されてるんだよ!あの子は…マサヤの事、好きなんかじゃないのにっっ」


彼女の言葉は届かない、今、彼の心を支配してるのはナツ…。


「ごめん…ナツが好きなんだ…」


そういうと、彼女は泣きながらその場を去っていった。

そんな彼女の後姿を楽しそうに見ていたナツが、マサヤに声をかけた。


「いいの?…今なら、まだ間に合うわよ?」


クスッと笑って…冷めた表情でゲームを終らせようとするナツに近づいていくマサヤ。


「いいんだ…俺が好きなのはナツだって云っただろ?」


本気で好きになってしまったバカな男を試すように、ジィ…っとまっすぐにみつめてくるナツ。

グロスが艶かしく光る唇に指をあてて、誘うような瞳で見上げるナツの仕草にドキッとする。

彼女の全身から漂ってくる色香に…ゴクンッと思わず喉が鳴った。


( …ヤバイ…マジでキスしたくなってきたっっ… )


撮影中だってことを忘れそうな位…ドキドキする…
こみ上げてくる欲求に体が反応してしまうっ…

ここから先はアドリブ…彼女が俺を…俺が彼女に…仕掛けるシーン。


「…アタシを本気にさせられる?」


言葉の裏にある彼女の本心…無理でしょって…瞳が俺を蔑む。

その瞬間、言葉じゃなく体が勝手に動いた。


「んんっ…ふぅ…ん…」


( 本気にさせたいっ…アイツじゃなくて…俺に… )


奪うような激しい口づけに、彼女から零れる吐息。

彼女の舌を追いかけて絡め取って繰り返す熱いキスに…現場にも熱がこもる。

唇を離すと…彼女は俯いた。

夢中で…彼女に煽られて、つい本気のキスをした。

…だけど、彼女は静かに顔を上げるとその濡れた唇で残酷に告げたんだ…。


「…もっと熱くさせてくれるかと思ったのに…」


「~っ」

思わず頬がカッと熱くなった。だけど、彼女の瞳の奥は冷めていて、それ以上…何も云えなかった。

本気でキスをした…なのに動揺一つ感じられない…

俺の体はこんなに…彼女に熱くさせられたっていうのにっっ

何事もなかったかのような涼しい顔でナツは言葉を続けた。


「また…いつか、遊びましょ?楽しかったわ」


本当にゲームでしかなかったことを痛感させられて…膝をついた。

ナツは満足げな笑みを浮かべ、振り返りもせずに去っていく。

そんな後姿を…静かに見送るしかできなかった         


撮影が終わり、俺は監督やスタッフ達と挨拶を交わすと控え室へと向かった。


結局、俺は何もできなかった…ただ、彼女に魅せられただけ     


撮影以外の時間はずっとメガネのマネジャーが彼女をガードしていた。

それに…振られる演技で受けたダメージは思いの外大きかった。


俺を映してはくれない…瞳…彼女が映すのはいつもアイツだけ…


アイツをみつめるセッちゃんの顔を思い出して…胸が痛んだ。

ふぅ~…と深いため息をつきながら廊下を曲がると、帰ったはずの彼女がそこにいた。


「…」


驚いて、声が出なかった。

大人びた私服…セッちゃんとは違う雰囲気の…

制服を脱いだ彼女が、俺に話しかけてきた。


「…確証…持てました?」


→ 16話へ続く


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