Paradox ~夏の奇跡~ 5 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel 


涙 Paradox ~夏の日の奇跡~ 


その前の話


( SIDE クオン )


頭からシャワーを浴びながら、さっきの…会話を反芻する。


「彼は…敦賀さん、敦賀さんはね…日本で『敦賀蓮』を知らない人はいないって位、有名な俳優でね、私の…目標で…事務所の先輩なの。」


そういって…少し照れながらも嬉しそうに話すキョーコちゃんと、そんなキョーコちゃんを優しい目で見つめる彼に…二人の関係を悟った。…だから、彼が…そうなのかと…思ったんだ。


彼女の特別な王子様…でも、彼じゃなかった        


「あなたの名前…彼女のショーちゃんは…あなたですか?」


ショーちゃん…という名前を出した途端、彼の顔色が変わった。

そして…牽制された。彼女は俺のものだって          


彼女が幸せなら…それでいいんだって…そう思いながらも、なぜか面白くなかった。


彼が…成功してる俳優だと…聞いたからかもしれない…。


どんなに望んでも…常について回る…『クーの息子』という言葉。

それは、同じ演じる立場の人間のやっかみだけじゃなく、監督やスタッフの態度にも如実に現れる…。


俺は…父さんの副産物じゃない…。


自分の演技を正当に評価してもらえない苛立ちは、年を重ねるごとに大きくなっていった。


役者としても成功していて…キョーコちゃんという恋人もいる…。


そんな彼を妬ましいと…人を羨んだのは初めてだった。


本当はもっと考えなきゃいけないことが山ほどあるのに…

なぜか、そのことばかりが頭を占拠していた。


彼女が作ってくれた夕食は…どれも美味しかった。

お世辞抜きに美味しいと驚いてみせると…彼女は可愛い笑顔を見せてくれた。


はにかむその笑顔をみているだけで…幸せな気持ちになれる。


彼女の笑顔には特別な力があるみたいだ。


食事を終えて部屋に戻った俺は…窓の外を眺めた。


ここは日本…それに、テレビをつけて流れてきた情報で、今が未来だということを知った。


( 俺は狂ってしまったのだろうか…?現実だとはとても思えない…。)


先のことを考えると、とても眠れそうになかった。


それに目を瞑れば…またあの暗闇の中に落ちていくだけだから…

喉の渇きを覚えて、俺はキッチンへと向かった。

すると…明日の仕込みをしていたらしいキョーコちゃんの姿が見えた。


「待って…いかないで、お願い…私のそばにいて     … 」


彼女の切ないその声に、胸がきゅんっと…締め付けられた。

彼女の手には台本が握られていた。


( そういえば…彼と同じ事務所に所属してる…って言ってたな…

キョーコちゃんも…芝居を仕事にしてたなんて…なんて、偶然なんだろう…。)


どんなにつらくても…芝居をやめようと思ったことはない…。

きっかけは父さんだけど、俺は…純粋に芝居が好きなんだ…だから      


キッチンには彼女以外の姿はなかった。ソレを確認すると…体が勝手に動いた。


俺に気づいたキョーコちゃんが台本を背に隠した。


「コーン?!…ど、どうしたの…?」


そこにいたのは黒髪じゃなく…短めの明るい茶色の髪色の彼女だった。

そんな彼女の姿を見て…どこかほっとした。


自分だけが…変わってしまったわけじゃないんだなって思えたから      


「黒髪は変装用だったんだね…ね、それって…台本?」


そういって、彼女が隠した台本を取り上げる。


「あっ!」


驚いた顔をした彼女が周囲を見渡して…他に誰もいないのを確認すると…

小さな声で教えてくれた。


「実はね…まだ、敦賀さんに云ってないんだけど…

初めて、主役をもらったの…///

深夜枠のオムニバスドラマの一つなんだけどね…。

休み明けには撮影が始まるから…こうしてこっそり…セリフの練習してたの。」


「主役だなんてスゴイね…でも、どうして秘密なの?

だってすぐ撮影も始まるんでしょ?」


「そ…そうなんだけど、云わなきゃ…と思いつつ…も…その、云いづらくて…」


台本を開いて…パラパラと内容を読んでみると…

彼女が彼に言い出せなかった理由がわかった。


恋愛ドラマ…ラストシーンにはラブシーンもある…。


芝居をしてるものなら当然おこりえる事態だけど、やっぱり同業者であっても

好きな子が…他の男とキスをするのは嫌なものだよな…。


父さんも母さんもプロだから、お互いの仕事に関しては干渉したりしなかったけど

そういうシーンがある日は、なんだか空気が微妙だったから…わからないでもない。


今まで…同業の子と付き合っても、気になったことはなかったけど、

キョーコちゃんが…って考えると…俺もなんだか、面白くないな…。


それに…会ったばかりの俺に牽制してくるくらいの彼だから…独占欲は強いんだろうしね。

まぁ、それだけキョーコちゃんが魅力的だって…ことの証明なのかもしれない。


綺麗な女の子なら…小さい頃からたくさん見てきた。

だけど、彼女には…他の子には感じなかった魅力がある…。


          それは…小さな好奇心…のはずだった。


さっき…垣間見た彼女の演技…彼女と演じてみたいと思った俺は、

彼女に挑戦的に云ったんだ。


「ねぇ、キョーコちゃん…俺と勝負してみない?」


このことがきっかけで…本気の恋の苦しさを知ることになるなんて

このときの俺は…思いもしなかったから           


→ 6話へ続く


次回は…キョコちゃんVSクオンの演技対決?

そしてそこで…何かが起こる??

いよいよラブバトルが勃発?!かお うしし…w


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