自分のキモチ Side K | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel   


こちらのSSは現実と妄想の狭間  の 朱烙 さんより頂戴しました~!


 

自分のキモチ Side K


今日偶然、敦賀さんの告白現場を目撃してしまった


相手は同じ女性の私でも見惚れてしまうほど、とても綺麗な女性で


その人が、敦賀さんにそっと抱き着いている姿はとても絵になっていた


気付かれないうちに立ち去らねば・・・と思うものの、足が思うように動かない


それどころか、タイミング悪く社さんが私の名前を呼んでしまった


その瞬間、はじかれるように振り向いた敦賀さん



「最上さん・・・・」


「あ・・・その、申し訳ありません・・・」


覗き見するつもりは無かったんです


そう言って、『お邪魔致しました』と頭を下げてその場を去るのに精一杯だった


後ろから敦賀さんと社さんの声が聞こえた気がしたのだが、私は失礼になると判っていても振り返る事も足を止める事も出来なかった



ラブミー部の部室には敦賀さんと社さんがやってくる可能性があると思ったキョーコは、自然と人気のない屋上へと足を運んでいた


屋上の一角に、秘密の場所がある


そこは入口からも死角になり、壊れかけているせいか表舞台から退場したベンチがヒッソリと置いてある


そこに逃げ込み、そしてようやく緊張が解けてその場に座り込んだ


「な、なんで逃げてるの私・・・?」


煩く響く心臓に手を当てながら、キョーコはそう呟く


「さ、流石敦賀さんよね!!あんな場所でも告白されるなんて・・・」


キョーコは自分で言った言葉に、心臓がツキリと痛む


と、同時に・・・自分の頬を伝う涙に気付き、慌ててハンカチで涙を拭いた


だが、涙は止まる事無くただ静かに流れ続ける


キョーコは自分でも持て余した感情を抑えるかのように、コーンを取り出しそれをそっと握りしめた



「な・・・何で?どうして涙が出るのよ・・・」



敦賀さんが告白されたのを見た時、時が止まった気がした

(敦賀さんが遠くに行っちゃうような気がして)


綺麗な女性が敦賀さんに抱き着くのを見て、胸の奥がモヤモヤした

(敦賀さんをとられそうで)


何時も敦賀さんの横で笑っていたのは私なのに・・・・


そこまで考えて、キョーコはそっと自分の胸を抑える

 


敦賀さんの存在は、私に勇気と希望をくれる

敦賀さんに少しでも会えて言葉を交わせた日は嬉しくて気持ちが浮上する

敦賀さんに会えない日は、無意識にその姿を探している

敦賀さんをドクセンシタイトワタシハオモッテイル・・・




「は・・・ははは・・・・なんだ・・・」


キョーコは涙をぬぐう事も忘れて笑った


「私ったら・・・敦賀さんの事が好きだったんだ・・・・」


自分で漏らしたその言葉に、何故だかストンと落ち着くことが出来た


「馬鹿ね・・・もう二度と恋なんてしないってあれだけ強く誓って、厳重に鍵を掛けたのに・・・」


自覚するなり失恋だなんて、馬鹿馬鹿しくて笑うしかないじゃない


坊の姿で聞いたので蓮に好きな子が居る事を知っている


Dark Moonで演技に詰まった時、その好きな子を思い描くことで乗り越えた事を知っている


「いつも手に届かない人ばかり好きになって追い求めて・・・本当馬鹿みたい・・・」


ホロホロと涙を流し続けながらキョーコはそう呟いて、1人で笑う



だが・・・


「今のは・・・・本当?最上さん・・・・」


ふわりと後ろから抱き締められて、今一番聞きたくない声がキョーコの耳元から聞こえた


「っ!!!??」


「ねぇ・・・本当?君が俺を好きだって・・・」


それなら俺は物凄く嬉しいんだけど


そう言う声は、珍しく緊張をそして不安を孕んだもので


キョーコは、何故そんな事を声の主が言っているのか理解できずに固まっていた


「・・・さっきの女性は断ったよ。俺が好きなのは君だけだから」


「う・・・うそ・・・」


「嘘じゃないよ、俺は君を愛してる・・・それに、俺は君の手の届くところに居るよ?」


だから君の言葉を聞かせて・・・?


懇願するかのような優しい声に、キョーコは自然と口が開いていた


「好き・・・です・・・つるがさんが・・・敦賀さん・・・だけが好き・・・」


「うん・・・ありがとう」


やっと手に入れた・・・嬉しそうに囁いて、更にキョーコを抱き締める


そして静かに泣き続けるキョーコの目にそっと口付け、そっと触れるだけの口付けを落とした


「仕事以外でこうしたいのは君だけだよ・・・愛してる」


ずっと愛する人を追い求め続けて、裏切られて傷付いて、疲れ果てて座り込んでいた小さな女の子は

誰もが憧れる翼を手に入れて


ようやく望んだものを手に入れた