ACT175.続き妄想 LOVE・SICK ~君の虜~ 6 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

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総合もくじ ☆ a guardian angel   


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ばら LOVE・SICK ~君の虜~ 6  ばら

(それまでのお話) 1話  2話   3話  4話 5話

(SIDE 蓮)

その日は事務所で社さんと合流することになっていた。
地下駐車場で彼を待っていると…俺に気付いた社さんが手を振りながら、急ぎ足で向かってきた。
そして…助手席に乗り込んできた彼が、開口一番俺に訊いてきたのは     

「なぁ、蓮…キョーコちゃんと村雨君って…」

真剣な顔でそう訊いてきた社さんに思わず、固まってしまった。
あの日…彼の行動に煽られた俺は…身体が勝手に動いてた。そして…我に返った後も…
俺はカインの振りをして…今にも溢れそうな想いを胸に抱いて彼女にそっと触れた。

カインの心を守ってみせるって…
完璧にB・Jを完璧に演り遂げると    そう、決心していたはずなのに
こんなにも簡単に…自分を見失うなんて…。
そんな自嘲めいた自分の姿を鏡越しにみつめながらも…
アイツの時以上に真っ赤になった彼女の姿にほっとしてる自分がいた。

俺の中にある闇…その狂気以上に…彼女は俺を狂わせるのかもしれない…。

…そんな自分が容易に想像できてしまって情けない気もするが…
どんなに思い返しても、きっと俺のとる行動は同じ…
今以上に…自分の気持ちを抑えられる自信なんてない。

そう…膨れ上がった想いの丈を…
この身に思い知らされて、俺は彼女に堕ちていくばかり    

顔を真っ赤にしていた彼女も…午後の撮影が終わる頃にはいつものセツに戻っていた。
だけど、二人きりで過ごす時間の彼女は…どこかぎこちない気がして
そんな変化が少しだけ嬉しい…。

…そんな淡い…小さな幸せも、現場に行けば…
アイツによって煽られる…黒い感情に掻き消されてしまう。

そんな日々の苛立ちが顔に現れてしまった俺に、やれやれという顔をした社さんが、肩をポンポンと優しく叩いた。

「カインは…日本語が話せない設定だからな…思うように動けないイライラはよくわかるよ…。
…まぁ、その分、『敦賀蓮』じゃできないこともしてるみたいだけどな…?」

って…ニンマリ顔で云われて、ギクッとする俺…に話を続ける社さん。

「俺はお前のマネージャーだからな?
同行してなくったって、担当俳優のことは把握してるに決まってるだろう?
スケジュールの調整しながら、監督からいろいろ話を訊き出してるからな。フフンっ」

そう云ってニンマリ顔をしていた社さんの表情が、返事のない俺の姿に、
同情めいたものに変わっていく。

「まぁ、実際、よく我慢してると思うよ…ただでさえ、理性との戦いを強いられてるっていうのにな…
お前、本当に忍耐力あるよな…」

そう云って…窓の外…遠くを眺めるようにして涙を浮かべる社さんに…
実は我慢できなかったんですよ…なんて言えないけれど…。

「だけど、彼が、セツの馬の骨になっちゃったのは想定外だったな…」

「…そうですね。そうならないよう…牽制したはずだったんですけどね。
逆効果だったみたいで…休憩時間にも顔を出してますよ…彼女に会いにね」

本当、懲りもせずよく邪魔してくれるよな…。
あの日以来、彼女は彼のことを避けてるっていうのに…まったく堪えてないんだから…。

「本当にすごいよな?お前の牽制が怖くないなんてさ?」

「それ…どういう意味ですか?」

車を運転しながらチラッと覗きみれば…社さんは淡々と語った。
「…そのまんまの意味だよ。
だって、お前…キョーコちゃんが絡むと素が出るだろう?
彼も昔はけっこうやんちゃしてたらしいけど、俺はお前の方がもっとスゴイ過去を
持ってると思ってるからな…
お前を敵にするなんて恐ろしい事は、俺には出来ないよ。」

もっとスゴイ過去って…酷い言われようだな…否定はしないけど。
「ところで…どうして、急にそんなことを?」

そう尋ねると…社さんは顔を曇らせた。
「…それがな、困ったことになったんだよ」

「困ったこと?」

「彼がBOX”R”に出演することが決まったんだ…」

「!!」

アイツが最上さんと共演するっていうのか…?!
信号待ちで停止した車の中で社さんをみれば、彼は云いにくそうに目を伏せた。
そして…しばらくして意を決したようにその口を開いた。

「…予定してた俳優が事故ったらしくてな…監督が急遽、彼に代役を頼んだらしいんだ」

云い淀むということは…俺には云いにくい役どころ…ってことだよな…。

「…どんな役なんですか?」

低い声で彼にその答えを急かせば…社さんがびくびくしながら答えた…。

「ナツが…自分の言葉に逆らった仲間に報復する為に…
その子が密かに片思いしてた男を…その…誘惑する…って…話らしい…」

「彼女が誘惑する相手が彼…なんですね?」

そういうと泣きそうな顔をした彼が慌てて俺に云った。
「…あぁ…でもでもっ、心配しなくても、キスシーンとかラブシーンはないらしいからっっ!!」

俺はその言葉に…ほっとしながらも…今度は違う心配が頭をよぎった。
きっと、社さんもそれが云いたくて俺に…この話を…

「…それってつまり…」

「…あぁ、キョーコちゃんのことだから大丈夫だとは思うんだけど、
お前がカインだって…気づいたみたいに…100%大丈夫だとは云えないだろう?
まぁ、仮にバレたとしても…直接お前とカインが結びつくわけじゃないけどさ…」

確かに…彼女がセツが京子だとバレたとしても…俺の素性に結び付くわけじゃない…
だけど、それじゃ、本格的にアイツが馬の骨として…
彼女に近づくことになるんじゃ…
セツは…カインと共に姿を消す存在だけど…アイツが彼女の正体に気づいたら…?

どうして…彼女の周りには…こうも厄介な男ばかり集まるんだろう…

思わず…ため息が零れそうになる…。

「…そうですね…でも、用心するに越したことはないですね…
彼女の為にも…」

「だよな…キョーコちゃんには椹さんの方から、彼とは距離をとるよう…話があるはずだから、
でも…まぁ、撮影も1日で終わるみたいだし、…大丈夫だよな…」
「だといんですけどね…。
ところで…その撮影って…いつなんですか?」

「ん?…ちょっと待ってろよ…確かさっき、メモったはず…えーと、そうそう、14日!」

「…14日…」

なんで、また…よりによってこの日なんだ…。
「14日ってことは…そうか、ホワイトデーか…」

そう云った後、むふっとまた顔をニヤケさせて…社さんが訊いてきた。

「お前のことだから…また何かすごいの贈るつもりなんだろう?」

「……」

彼女が受け取ってくれるなら…どんなものでも用意するんですけどね…

「まっ…お前、キョーコちゃんとは一つ屋根の下にいるんだしぃ~
…コレを機に少しは進展するように頑張れよ?」

「…わかってますよ。ところで…その日の上がりって…何時になりますか?」

「そうだな…順調にいって日付が変わる前…って感じか?
彼女の上がりも同じくらいだったはず…
キョーコちゃんの仕事もここのところ、ずいぶん増えてきてるみたいだな…」

「そうですね…俺に付き合わせてるせいで、身体を壊したりしないか少し心配ですよ…」

「まぁな…けど、キョーコちゃんなら健康管理は問題ないだろ…お前だって…
毎日キョーコちゃんの手料理食べるようになって、彼女に管理されてるんだろう?
うしし…羨ましいぞ~コイツ~!」

社さんにからかわれながら…ふぅっとため息をつく…。
俺だけじゃなく…アイツの胃袋までがっちり掴む程に…
彼女の作るものはどれも美味しいから…困るんだよな。

…そうして、やってきたその日の出来事が…
俺と彼女の関係を変えることになるなんて…この時の俺は知る由もなかった。



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お待たせしました~ 続き妄想の続きです。

何が起こるのか~~?!

次回はSIDEキョーコで…ナツVS村雨 対決です。

大いに煽って見せましょう~…蓮さんを にひひ 

そんな村雨クンさまさまな続き妄想に…ぽちっとヨロシク…w    


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