2023-11-19 | penaltyのブログ

2023-11-19



会場建設費が当初の見積りから2倍近く膨れ上がってしまった大阪·関西万博。
国、大阪府·市、経済界の三者が1/3ずつ負担する構図なので、国民負担も倍増する事になり、今後更に増額にならないかが問われています。
ではなぜ、2倍近くに膨らんでしまったのか?主に挙げられているのが、設計上見積り価格が上がった事と、資材費·人件費の高騰。
資材費の高騰は仕方ない事かも知れません。突然起きた戦争によりエネルギー価格が高騰し、資材や食材が軒並み高騰したわけですから。ただ、それ以外の要因については事前に予見できたような気がします。夢洲の地形的·地質学的な性質も分かっていたと思うし、人手不足なんてずっと前から始まってた事で、それが年々深刻化しているのも読めたはず。僕は万博には賛成だし、今更中止も望んでいません。ただやはり、当初の認識があまりに楽観的過ぎたと言わざるを得ず、そこは反省すべき点なのではないかと感じます。
そして、問題はその先のような気がします。大阪·関西万博は開催されるとして、それが日本で最後の万博になるのではないかという懸念。このまま人手不足が進行すればそうなるわけです。
思えば70年大阪万博の頃は、第一次ベビーブームの時期に生まれた「団塊の世代」の若者が溢れていた時代でした。きっと労働力にも事欠かなかった時代だったと思います。05年愛·地球博の頃は、第二次ベビーブームの時期に生まれた「団塊ジュニア」が労働力の中心にいました。人手不足の問題はなく、それどころか当初は4倍近くの会場面積で開催する計画ですらありました。しかし、残念ながら団塊ジュニアの次がなかった。第二次ベビーブーム以降少子化が進み、団塊ジュニアも第三次ベビーブームを起こせず現在に至るわけです。そんな中でのこの状況。大阪市ですら万博開催に苦戦しているわけですから、今後、日本で万博誘致に名乗りを上げる都市は、もう、出ないのではないかと思えてなりません。人手不足の状況がこのまま続けばの話ですが。
万博は人々の「夢」です。オリンピック·パラリンピックもそうです。そして、夢は、社会が前進するのに絶対に必要な原動力です。夢なくして前進はないし、喜びもありません。夢は絶やしてはならないと思います。
ただ、一番の「夢」は、他でもない生まれてくる子供一人一人です。社会にとってこれ程の夢はありません。その夢があるから、更に夢を見られるのです。最近その事を強く感じます。これからの日本は、「夢」をどれだけ作り出せるか。そこが非常に重要になってくる気がします。