2022-12-24 | penaltyのブログ

2022-12-24



今年を表す漢字1文字は「戦」。
残念ながらそういう年になってしまいました。勝手ながら、清水寺貫主の筆からは、戦争に対する憤慨の念を感じ取らずにはいられませんでした。
ウクライナでの戦争で「失われたもの」は多く、人命、建物、インフラ、生活、人権、秩序、平和、理念等は勿論の事、安定した未来までも失われるのではないかという懸念が出ています。日本で言えば、原材料価格やエネルギー価格の高騰、防衛費大幅増額はその兆候なのかも知れません。僕も含め多くの人がやむを得ないと思っている防衛力強化ですが、それは従来の安心が「失われた」事を認めるものに他なりません。
僕の今年の漢字1文字は「失」です。
今年はとにかく、多くのものが失われた悲しい年だったように思えます。
例年にも増して、訃報のニュースも相次ぎました。まずは、世界に知られた君主と元首脳の訃報。その国を象徴する人、その国を支えてきた人、その国の転換点を作った人等の訃報が相次ぎ、国葬やそれに準じる葬儀が多かったのは確かだと思います。
そして、昭和の良き時代を象徴する方々の訃報も相次いだように思えます。日本のエンターテイメント、文化、スポーツ等、様々な分野を支えてきた人達、かつてお茶の間を熱狂させたり賑わせたりした人達です。小学生時分、僕も何度、4の字固めやコブラツイストや卍字固めを掛け合った事か。
いよいよ、一つの平和な時代が終わったという喪失感を抱かずにはいられません。どの方も、立場は違えど平和を目指していたのは間違いない事だと思います。
これから、世界はどこに進んでいくのか?
まさに、今を生きる人間の力が問われている時だと思います。特にウクライナの人達は、本当の意味で戦っています。主権、領土、国民、民主主義、国際秩序を死守すべく。まずは、良き未来を守らなければなりません。絶望的な未来になる事だけは回避しなければならないわけです。
一部で、この戦争で核戦力が使用されるのではないかという懸念が囁かれていますが、僕はその可能性は低いのではないかと思っています。ロシア側はこの戦争を、相手の国土を滅ぼす戦争ではなく、自らのイデオロギーを守り貫く為の戦争だと位置付けているように思えるから。もし、核攻撃という非人道的な手段を取れば、自らのイデオロギーを裏切る事になるわけです。
ただ、核の使用は考えにくいとしても、イデオロギーの戦いは事実上終わりがないので、非常に長期に及んでしまう可能性がある。それこそ、ウクライナが領土を奪還したとしても、まだこれからだと言わんばかりに戦争は継続されるのかも知れない。泥沼化した状況は、もしかしたら核使用に繋がり、それが「核戦争」に繋がり、破滅的な犠牲·損失を生み出す事に繋がるのかも知れない。絶望的な未来というのはそこにある気がします。
やはり、この戦争の落とし所·着地点はロシア内部からの反戦機運の高まりにあるのか、それともロシア大統領府の方針転換にあるのか?どんな苦境にも必ず着地点があります。問題はそれを先送りし人類の犠牲·損失を膨らませるのか、早期に着地するのか、どちらを取るのかという事だと思います。苦境に於いて、それを如何に早く脱する事ができるか。それが最も重要な気がします。