私の実家のすぐ近く、静岡県湖西市鷲津というところにある、
湖西市民会館にて、
素敵なフラメンコ公演が開催されました。
『すべてを越えて』
なんと、知的障害者の方々が主役の公演なんです!
知的障害者とその家族でつくる「湖西市手をつなぐ育成会」。
この会の設立40周年を記念した公演。
障害の有無にかかわらず一つの舞台をつくり上げることで、
障害者理解の輪を広げようと企画されたそうです。
私は曲がりなりにも社会福祉学部を卒業し、
フラメンコを生業とする身。
以前からたいへん強く共感して関心を持ち、
この公演を楽しみにしていました 。
社会的マイノリティーになりがちな彼ら。
その障害ゆえにご短命だともいわれます。。
しかし今この瞬間、
舞台で照明を浴び、きれいな衣装を身に着け、きちんとメークをし、
誇り高くそこに彼らが存在している。
心底輝き、その姿はとにかく美しく、
またそこには相当な努力がうかがえ、
大きな感動を呼びました 。
練習を楽しくがんばっていたのにもかかわらず、
残念なことに最近亡くなられてしまった方がいらっしゃるとのこと、
会場には遺影がありました。
その方の魂と共にみんな舞台で踊ったことでしょう!
国内外で活躍するフラメンコ舞踊家の佐藤浩希さんがご指導されました。
浩希さんは保育士・介護福祉士の資格をお持ちで、
福祉への造詣が深く、その知識と経験を生かし、
持ち前の熱意でさぞかし楽しくご指導されていたことだろうなぁ。。
市民の一般公募枠もあり、私の元生徒Kちゃん&Kちゃんも出演。
得難い経験ができたことでしょう!
フラメンコに携わる者としての立場から見ると、
難しいとされるコンパス(フラメンコのリズムパターン)を、
俳句のようにシンプルに文字数を決め、
それぞれの好きな言葉(もちろん日本語)を乗せていくことで、
見事なコンパス感を生み出すことに成功していたことに、
非常に衝撃を受けました。
ブレリア、タンゴ、ガロティンを全員が歌い、
高難度といわれるシギリージャまで、見事に演じ分けていらっしゃいました。
どのように感じ、理解しているんだろう・・・ぜひ彼らとお話してみたい!
健常者の大人の練習生さん達、難しく考えすぎかもですよー
浩希さんと奥様の鍵田真由美さん、そして舞踊団の皆さんももちろん出演。
みんながひとつになり、その心意気にたいへん好感が持てたのでした。
障害者の方々が紡ぎ出すコンパスに乗っかって、
プロ・ダンサーが踊る場面は圧巻。
鳥肌ものでした。
昔からのお友達、
カンテのクール・バルデペーニャと、
ギターの齋藤誠くん。
彼らにここで会えるとは、嬉しくもびっくりですねー
フラメンコの原点というか、
さらには人間としての原点をこの舞台に見た気がします。
そこに気付かせてくれて、心から感謝。
私の生まれ育った町でこんな強くて温かく、
前向きな気持ちを抱いた方々が、
志高く行動されている!
私も、できることを丁寧に一つずつ、一生懸命やっていこう。
そしてちっぽけですが、
社会福祉を学び、フラメンコに携わる者として、
そして一個人として、
なにか貢献できることを模索していきたいな。
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