流木レイアウトとは、水槽内に流木を配置して自然な景観や環境を作り出す方法です。流木は水槽内で視覚的な魅力や隠れ家、水中の生き物にとってのエリアを提供します。流木レイアウトをするには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
流木の種類と選び方
流木のアク抜きと浮き防止
流木の配置と構図
水草や装飾品との組み合わせ
魚の適応性と安全性
レイアウトのメンテナンス
それでは、これらのポイントについて詳しく見ていきましょう。
流木の種類と選び方
アクアリウム専用の流木は、マレーシアやアフリカ、アマゾンなどの地域から輸入されています。流木には様々な形状やサイズがありますが、水槽レイアウトとして使う上では流木の形状が重要視されます。代表的な流木の形状としては、以下のようなものがあります。
ホーンウッド:動物の角のような形をしている流木で、安定性が高く重宝されます。適度な重みがあるので浮きにくいですが、アクが出やすいのでアク抜きが必要です。
ブランチウッド:枝が複数生えている流木で、視覚的なアクセントを加えるのに適しています。枝の合間を魚が泳ぐ姿が楽しめますが、水に浮きやすかったり、水カビが発生しやすいというデメリットがあります。アク抜きと浮き防止が必要です。
塊状流木:枝のない流木で、水草を活着させたり、テラリウムのベースにしたりするのに適しています。形がよく幅広のものを組み合わせれば、迫力のあるレイアウトを作ることもできます。アク抜きが必要です。
切り株流木(スタンプウッド):切り株状の流木で、中が空洞になっているものが多いです。空洞部分に水草や観葉植物を設置したテラリウム寄りのレイアウトで使用されます。生体の隠れ家にもなります。アク抜きが必要です。
流木の値段はピンキリですが、一般的には30センチ水槽サイズで1,500~3,000円前後、45センチ水槽サイズで4,000円前後、60センチ水槽サイズで7,000円前後が目安です。流木にあまり費用をかけたくない場合は、河川や浜辺で採集するという方法もありますが、注意点がありますのでこちらを参考にしてください。
流木のアク抜きと浮き防止
流木にはフミン酸やフルボ酸などの腐植酸と呼ばれる成分が含まれています。これらの成分は水に溶け出すと、水を茶色く着色したり、水質を酸性に傾けたりします。これを防ぐためには、流木に含まれる腐植酸を取り除く作業が必要です。これを流木のアク抜きと呼びます。
流木のアク抜きの方法はいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。
煮沸法:流木を鍋に入れて煮沸する方法です。腐植酸が溶け出すと水が茶色くなりますので、水が透明になるまで何度も繰り返します。流木の大きさによっては鍋に入らない場合がありますので、その場合は切ったり割ったりして対応します。煮沸することで流木の浮きも防ぐことができます。
水洗い法:流木を水道水に浸けておく方法です。水を毎日交換しながら、水が茶色くならなくなるまで続けます。煮沸法よりも時間がかかりますが、流木の大きさに関係なくできます。ただし、流木の浮きは防げませんので、別途対策が必要です。
漂白法:流木を漂白剤に浸けておく方法です。腐植酸だけでなく、カビや雑菌も除去できます。漂白剤は水で10~20倍に薄めて使用します。漂白剤に浸けた後は、よく水洗いしてから水槽に入れます。漂白法は流木の色が変わったり、流木の表面が傷んだりする可能性がありますので、注意が必要です。
流木のアク抜きをすると、流木の浮きも防ぐことができますが、それでも浮いてしまう場合があります。