crazy moon -4ページ目

crazy moon

拙い小説家です。
主に気象系様のパロディ小説を書かせていただいております。


よろしくお願いします。



さよなら。
巡り会えた君に、幸あれ。



「元気にしてますか?
俺は元気にしてます。
君がくれたサボテンの花が
今年も蕾をつけました。」


未送信のメールボックス。
君への想いが詰まった、言葉たちがここに詰まってる。

勿論、このメールだって、未送信フォルダ行きだ。
三年前、あの別れを告げられた日から、思いを告げられず、ここに入れっぱなしだ。
何十通溜まってるのだろう。

あの日、予定していた映画のチケット。
ベタベタのラブストーリーだったっけ。
財布の中から見れず終いになったチケットを2枚取り出す。


__もうけじめ付けなきゃな…


暫く眺め、思い切って破る。
眦から溢れる涙を無視して何度も何度も。


「くっ…っ…うぅっ…」


堪え切れず泣き声が漏れる。



「しょぉ、ちゃ…」


…名前を呼ぶまいと、耐えていたのに。
あの時の声が、笑顔が一瞬にして蘇る。



__なくなよ…



困った様に笑う翔ちゃんの顔が思い浮かぶ。
でも、その笑顔は今、俺のそばにはない。

きっと今頃、大野さんにでも見せているのだろうか…

そっとサボテンの蕾を撫でる。
大切に育てるとかいいながら、結局丁寧に育てているのは俺で。



___サボテンは丁寧に育てないと花咲かないからな!



そう言ってた声が、蘇る。
多分、サボテンの花なんて覚えてないだろうけど。


「枯れない愛」

サボテンの花言葉。
まるで今の俺に対する予言みたいでさ。

ちょっとだけ微笑む。


きっと、幸せなんだ。


だからこれから大野さんの側で翔ちゃんが笑える様に、俺も新しい道を行こう。
虹のように鮮やかに、儚げに、優しく見守っているから。



だから、どうか。
さよなら、愛した人。



____君に幸あれ。