【前編】の続き

生きるため、食を得るだけに歩き回る日々を
続けていたある日、彼は元の住所に
新しい住人が入ったのを目にしました。

「もう、行き場所も、打つ手もない。」

絶望的になった彼は、社会に復讐するかのように
自分が誰かに襲われたかのように
ナイフで自分を傷つけ、ビルの屋上から
飛び降りたのでした。

胃の内容物に一貫性がなかったのは、
試食で食べた物がバラバラだったから
なのでした。


さて。
どうして彼は死ななければならなかったのでしょう?

誰も彼を助けようとしなかったから?

彼を食い物にした人間がたくさんいたから?

妙にリアルで苦しくなりました。


「就職できなかったのは自己責任じゃないか。」

ある人は言います。

だけど、若くても、働きたくても、
働く場所がないのもひとつの現実。

「正社員」の少ないパイを取り合ったところで、
解雇にならない保証はない。
それに正社員が少ない分、責任や
負担のしわ寄せが多分に来るのです。

病気になって解雇されて、次の就職先が
見つからなかったとして、それを
「自己責任」と言えるのでしょうか…。