短編集でした。幽霊とか、霊的なもの、に関するお話でした。

 

おもしろいことに、人ではないもののお話もあって(笑)

 

「ミシンの履歴」というお話だったんですが、それはミシンが主人公でした。

 

戦前から戦中、戦後にかけて、主人公のミシンが(主人公が持っているミシン、ではなくて)どういう過程でこの世に生き残ってきたかのお話で。

 

ミシンは、とある古道具屋に置かれていました。でもミシンは尋常じゃない様子になっていて、それは戦火そくぐってきたからでもあり、大事に使ってくれる人が、動くように部品を集めていろいろ手直ししてくれたからでもあり…。

 

それは、常に使ってくれる人とのお話でもあって、そこがすごくよかったです。

 

戦争の前後でものが不足していた時代に、ミシンで小遣い稼ぎをする目的の時代から、ミシンで家計を支える時代に突入…その後、戦争が終わり主人公のミシンは古いものとなっていきました。

 

中島京子さんの、昭和の時代がすごく素敵に描ける感じが好きです。「小さいおうち」が好きで、それから中島京子さんをよく読むようになりました。

 

この作品も、昭和の初期からのお話もたくさんあって、私の好きな世界ですぐ読んじゃいました(笑)

 

ゴースト的な話が好きなわけじゃなかったんですけど、これはおもしろかったので、ぜひおすすめしたいです。

 

では、また何か読んだら書きます。