若年性アルツハイマーに罹った50代女性のお話。

 

この小説は映画にもなりましたね。ジュリアン・ムーアの主演で。見たいと思ったけれど、正直見るのが怖いような気がして、DVDになってゲオでも借りられるのに(うちは圧倒的なゲオ派。近所のゲオは、本屋をはさんだすぐ隣にTSUTAYAもあるというおそろしい立地なんですけどね)、なかなか手が出せずにいました。

 

ジュリアン・ムーアの聡明そうな感じで、アルツハイマーの役を演じるということの落差が怖かったのかもしれませんね。

 

でもけっきょく本は手に取ったわけで(笑)

 

大学の教授をしているアリスは、心理学者。頭脳明晰なアリスでしたが、物の名前が急に思い出せなくなったり、探し物をしている途中で何を探しているのかわからなくなったり、自分をおかしいと思うようになりました。

 

夫のジョンには内緒で神経科を受診してみると、若年性アルツハイマーとのこと。

 

アリスは職を辞し、ジョンを頼りにして生きることに。

 

でも、人と関わることが怖くなったり、迷子になるのが怖くてジョギングに行かせてもらえなかったりと、どんどん悪化していく症状に、アリスも家族も悩みます。

 

 

 

と、お話はある程度までで終わるのですが(アリスが亡くなったり、施設に入る様子は描かれていない)、これは本当に若いとか関係なく、この症状は悩みますよね。

 

うちのおばあちゃんが認知症なので、物忘れという点ではよく似ていて怖いです。

 

「その話さっきもしたよね?」「だから~だって言ったじゃん!」と、はっきり言うと会話するのもイヤなくらいです。

 

あと、年のせいか認知症のせいか、頑固で困ります。元からの性格もあるでしょうけど。

 

働きものだったからか、今でもいろんなことに手を出しては失敗して叱られるの繰り返しで疲れます。(りんごを煮ていて、火をつけっぱなしにしたのを忘れた時は、怒られるじゃ済まされない失敗でしたけどね。一歩間違えば火事ですから)

 

お話の中で、夫のジョンがアリスの症状が進んでからでも、自分の地位を高めるためにアリスを連れて引っ越すことを決断していました。

 

夫は、聡明だったアリスが変わっていくのを見るのが辛く、同時にアリスに付きまとわれることに疲れていたんですね。娘たちはいつもいてくれるわけではなく、けっきょくはジョンだけが単身赴任の形で、アリスには付き添いの人を雇うことにしたようでした。

 

いろんな制度を利用しないと、看る側も疲れるし、看られている側もつらいと思います。常に一緒にいるのは看る側にとって息がつまるし、看られる側もうっぷんたまった人といては、不当な扱いを受けていると思う場面もあるでしょうね。なんでそうなったかはわからなくても。

 

かわいそうだとか、自分の家族だから責任持てとか、そんなのは当事者になってみなければわからないことだと思います。

 

もちろん病気はかわいそうですが、そうなった家族もかわいそうなんです。だから、施設に入れたり、介護人を雇ったり、デイサービスに行かせることに口出す人がいたら、一日でも面倒見てみろって、言ってやりたいです。

 

なんだか愚痴になってしまいました(笑)

 

この小説が映画化されて、さらに多くの人の目にとまることができてよかったと思います。(て、なんか作者風??笑)

 

私も思い切って、DVD見ようと思います。

 

では、また何か読んだら書きます。