前回、なんと「おかわり」の方から読むという大ボケぶりを発揮…。でも、短編集なのでおもしろく読めました。

 

食堂とはいえ、看板もない、広告も出さない、ひっそりとしたたたずまいの京都のお店。

 

ここでは、「思い出の食」を探してくれます。

 

初めての人はメニューから選ぶのではなくて、店でお任せの食事を食べてもらい、それが気に入ったら…という流れです。

 

今回の作品で好きだったのは、ナポリタンの話です。

 

大学生の明日香は、おじいちゃんと昔食べたナポリタンを探してもらいます。けれど、5歳のころくらいの記憶でどこの店だったのかも思い出せない。

 

それでも、明日香の記憶と、食堂の亭主・流の長年の勘でなんとか見つけ出します。

 

それは、名古屋の「イタリアン」でした。

 

名古屋のイタリアンは卵の上にナポリタンが乗ってるものなんですね。鉄板の上に卵焼きが広がっていて、黄色の印象です。

 

京都のおばんざいを出している主人の流ですが、洋食もお手の物。

 

名古屋のナポリタンのことは知っていたんですが、いざこういうふうに小説になると心躍るおいしさが感じられますよね(笑)

 

鉄板で出てくるのも、わ~♪ってなるし!

 

でも、前回も思ったんですが、これもう少し流が思い出を探してくる旅路を描いてもいいんじゃないかなって思うんですよね。

 

あと、これって流の娘を登場させる意味あるのかな~…って、ちょっと。

 

あっさりしてるんですよね、お話が。思い出のストーリーとしてはおもしろいけど、それって別に流だけでできるんじゃないかとか(笑)

 

でも他人の思い出話っておもしろいじゃないですか。それだけでも読む価値ありますね。

 

というわけで、また何か読んだら書きます。