Titanium flower

　「エゴイスティックなキャラクターが書けると、強く読者を惹き付けることができる」んじゃないかな、とよく思います。
（個人的な好みもあるかも（笑)　私がそういうキャラクターを好きなんです）

　なぜなら、普段の生活ではエゴイスティックな行動を取ることは固く禁じられているから。
　禁じられていることを本の中の世界で経験できるというのは、大きな魅力になる。

　と、思うので、試行錯誤はするものの、私はけっこう精神的なストッパーが固くて、エゴイスティックな面がうまく表現できないのです。

　どうやってこのストッパーをはずしたらいいのかな～。

　エゴイスティックなことを表現できないのには、私の場合は「罪悪感」が関係しているのかも。

　いろんなところでちょっとずつ、抱えてきてしまう罪悪感をそぎ落としていったら、生きるのも楽になるし、面白い小説も書けるようになるのかな、と思ったりしています。

【その１・エゴイスティックなキャラクターの登場するお話を解析してみる】

　物語の世界って独特で、しらふになって考えると相当おかしいことでも、物語の世界のならわしとしては普通、ということがたくさんあります。

　エンタテイメント作品はその「ならわし」がすごく発達しているのかな、と感じます。

　でも、無自覚に、「あの作品でこうやっていたから」って、取り入れてしまうのではなくて、「もともと何をどう表現するために発生してきた表現方法なのか」を考えたほうがもっと面白いものができそう。

　どんな性格付けをして、他のキャラクターとどう関係させているか。
　そういったところを、こつこつ解析しながら見るといいのかな、と思います。

【その２・エゴイスティックなお話を書く（描く）ことができている人と知り合いになる】

　……意外にむずかしい、です。これ。

　性格がすごく違うんだな、と思います。

　友達になるのはむずかしい。

　「文は人なり」という面は強いと思うのです。

　なので、書く文章が違えば、作者の性格も大きく違います。

　これは今後の課題……です。

　
　今回は、こんなところかな。

大崎善生先生の『アジアンタムブルー』を再読

　大崎善生先生の『アジアンタムブルー』を再読しました。

　出版された当初に一度呼んでいたはず、なのに、まったく内容を覚えていませんでした。

　「彼女が病気で亡くなった」という点しか覚えていなくて。

　彼女を亡くしたあと、主人公が立ち直るきっかけを得るまでのお話、でした。

　このお話、主人公が過去を回想するシーンがかなり多い作品でした。

　なので、ちょっと技術的なことについて気がついたことを書いておきます。

　【技術的なこと　その１　回想の処理】

　私は実は、回想の多いお話を書くのがすごく苦手です。

　なぜなら、どんな内容をどう並べるか、自由すぎるから。

　リアルタイムでお話が進んでいるところを書く場合は脳内に見えている映像をそのまま文章化すればよいので、何をどの順番で書くか迷わずに済むんですけど……。

　『アジアンタムブルー』は過去の回想をメインとしているお話なので、すごく参考になりそうです。

　どういう順番でどう見せてゆくと、読み手にとってわかりやすく退屈しないか。

　優先させたいのは「わかりやすさ」だったりするので、この作品はぴったりかも。

　【技術的なこと　その２　キャラクターの情報開示】

　表題だけ見ると、なんのこっちゃ、という感じですね（＾＾；

　登場するキャラクターについて、どんな過去があるのかとか、なにが好きとか、どんな仕事をしているとか、そういった情報をどんな順番で、どのタイミングで本文中で開示してゆくか。

　推理小説は徐々に謎を解いてゆくけど、普通の小説も一種の謎解きなんだな、と今回思いました。

　読み手はこれからなにが起こるか知らないし、キャラクターのプロフィールも知らない。

　どうなるんだろう、どんな人なんだろうという興味を持って文章を読む、わけです。

　読み進むにつれて、色々なことが分かってゆく。

　なので、「謎は小出しにしたほうがいい」んだな、と思いました。

　でも冒頭でちゃんと知らせておかなくちゃいけない情報もあるから、何をどのくらい最初に知らせておいて、後からどこで何をどう出すか、よく考えないと。

　というか、プロ作家の作品でそのあたりはどう処理しているか、まずは分析してみないと。

　分析すれば自分の作品に活かせる部分もあるから。

　……と、こんなようなことを思いました。