2024年3月に見た映画の感想です。
※ネタバレしてたら御免
マダム・ウェブ
評価が低いのが残念だけど今までのMCUから比べるとヒーロー性がないから仕方ないのかな。
ホントならこれが序章となって、キャシー(ダコタ・ジョンソン)が助けた3人の少女たち(ジュリア、アーニャ、マティ)が能力を発揮していく展開になるはずだったと思う。
キャシーは差し詰めXメンのプロフェッサーXみたいな立場で。
ただ少女たちの未来の姿が正直ダサい。
エゼキエル(タハール・ラヒム)の悪夢によると、10年後に3人はヒーローになっていて蜘蛛の巣模様の衣装をまとい冒頭に出てきたペルーのアマゾン流域の蜘蛛の力でパワーアップしたと思われる特殊能力を駆使して戦っている。
スパイダーマンと関係あるのかないのかどっちなんだ!
エゼキエルも黒スパイダーマンみたいだし、そもそもキャシーの母が蜘蛛を探していた場所の現地人が蜘蛛の力でスパイダーマン化しているし。
さらにキャシーの救命救急士の同僚がベン・パーカー(アダム・スコット)だが、今までのスパイダーマン=ピーター・パーカーのおじさんの名前じゃなかったっけ??
アベンジャーズシリーズが終わったのでそれとは別系統ということなのかな。スパイダーバースの一つとか。
最後まで見ても疑問ばかり浮かぶ話だった。
アーガイル
エージェント・アーガイル(ヘンリー・カヴィル)の髪型(=てっぺんが平らな角刈り?)がマジかという感じだったが架空の人物で良かったw
エリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)のスパイ小説の主人公だった。
その小説が現実のスパイ活動の内容を予言しているため作者が狙われるという感じの予告だったが、次々と「実は」が出てきてお腹一杯になるし最初と最後の印象がまるで違ってくる。
列車内で髭面の男ブライス(サム・ロックウェル)がスパイと明かした後の乱闘で、エリーには時々アーガイルに見えてしまうところとか面白い。
ネタバレだが、凄腕スパイだったエリー(実はレイチェル・カイル)が記憶をなくしたからといって簡単に洗脳できるのかとか、機密情報を小説に書かせるため5年間も見守るなんて短気そうなあのボスがよくやるなとか、5年間の小説家生活でなまってしまった体(ブライスの体が冗談でなく太め)でアクションに挑むとか正気かとか。
つっこんじゃいけないんでしょうね。
あとジョン・シナ。アーガイルの相棒役だが見た目はエリーの幻覚だったようだ。
ネクスト・ゴール・ウィンズ
実話がベース。米領サモアのサッカーチームの悲願の1点そして1勝までのお話。
最初に説明があるけどサモア独立国とは違うそうだ。諸島のうち東側がアメリカ領らしい。
ビューラ・コアレが出てるので見ようと思った。
彼はハワイFIVE-0にジュニア役で出てるニュージーランド出身の俳優。
米領サモアは2001年に0対31で大敗して以来公式試合で1点も得点できないでいた。
およそ10年後次の大会の予選が迫る中、新しい監督にトーマス・ロンゲン(マイケル・ファスベンダー)を迎えるが、言動が荒いロンゲンはアメリカでの監督業をクビになって仕方なくサモアに来たのだった。
選手たちはそれはもうひどい有様で90分間走る体力がなかったりボールがまともに蹴れない者もいた。
中でも異色なのがジャイヤ(カイマナ)で一見女性のようだが『第3の性(ファファフィネ)』としてチームに大切なメンバーとして受け入れられている。
身体の男性性に違和感がありホルモン治療もしているというが、手足の筋肉はしっかりしているし選手としては優秀でディフェンダーに向いていて最後はキャプテンを任せられる。
この俳優さんよく見つけたよな~。女ぽいからといって本物の女では成り立たない。
ジャイヤについて協会会長がロンゲンに言った言葉がいい。
「ファファフィネは社会の花、潤滑油です。花は癒しです。花があった方がいい」
こんなような内容だったと思う(すぐ忘れちゃう!)。
あと、やたら自作中に出演する監督のタイカ・ワイティティが教会の胡散臭い神父役だった。
DUNE PART2
とにかくサンドウォーム(現地語でシャイ・フルド)がでっかくて圧巻。
フレメン(惑星アラキスの砂漠の現地民)はこれに乗るのだが、想像してた以上に速くて疾走感がすごい。
原作(もちろん翻訳もの)を読んでいて予備知識があったから難なく見れたけど、読んでないで初見だと様々な固有名詞が出てくるのでわからないと思う。
夫が「PART1見なくてもわかるかなぁ?」とか言ってたが原作未読だし無理だと思う。
小説は徐々に政治の話になってスペオペ感がなくなっていくので飽きてしまい、途中までしか読んでいないので結末までは知らない。
PART2では父の仇を取り皇帝を屈服させるまでだった。
ポール(ティモシー・シャラメ)の特別感が出ていてよかった。
線が細くてふにゃふにゃした感じで戦士としてどうなんだと思っていたけど、意外と太い声が出るんだね。
まだ生まれていない妹のイメージ映像がアーニャ・テイラー・ジョイだった。色々な映画に出てるね!
ハビエル・バルデムはあんまり好きじゃないけどスティルガーにちょうどよかった。
話はこれで序盤なのだが続きあるよね?「3」が。
チャニ(ゼンディヤ)かわいそう。
落下の解剖学 原題 Anatomy of a Fall
解剖学の話じゃなかった!タイトルなのに!
予告とかフライヤーをよく見ていなかった。
『雪山の山荘で男が転落死。妻に殺人容疑がかかり、唯一の証人は視覚障害のある息子。事故か自殺か殺人か……』って書いてあった。
多くの時間をかけているのが法廷劇だった。解剖とはつまびらかにすることの比喩だったかも。
妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)の弁護士ヴァンサン(スワン・アルロー)がツダケン似のイケメンでびっくりしましたねー。色恋が入らなくてよかった。
冒頭、階段からボールが落ちてくるのを犬がくわえて階上に戻っていくんだよね。
裁判ではどの立場で見ているかで事件の真相が異なる。
犬は裁判には出れないが犬目線で見るといいかもしれない。
最初、学生が小説家サンドラにインタビューに訪れていると階上で夫が大音量で音楽を鳴らし改装作業を始めた。
息子ダニエルは犬を連れて散歩に出かけ、サンドラと学生は音が邪魔になりインタビューを中断する。
ダニエルが帰った時、倒れている父親を見つけサンドラは通報して警察の捜査が始まる。
転落の状況とかもっとちゃんと調べたらわかりそうなものだけどサンドラは殺人容疑で起訴され、裁判で色々なことが暴露される。
膨大な量で興味深くはあるんだけど淡々と進むためちょっと寝そうになった。
サンドラはドイツ人で夫はフランス人、山荘があるのは夫の故郷で家の中では英語をしゃべっている。
ダニエルが4歳の時、夫の迎えが遅れたため代理が迎えに行き交通事故に遭って視神経がやられ強度の弱視になったこと、夫はそれをものすごく後悔していたこと(服薬するほど)、夫のアイデアを妻が拝借して小説を書いたこと、夫婦喧嘩を夫が録音していたこと、等々。
追及する検事がなかなかの曲者であらゆる項目にいちゃもんをつけてきて有罪に誘導しようとする。フランスの裁判てあんな感じなのか?
転落の再現実験などして調査した警察の分析官も証言して割と合理的に思えるのに、それさえも「可能性にすぎない」の言葉で妻の犯行に持っていこうとする。
当初は混乱していたダニエルは記憶のあいまいさを追求されるが、証言台に立ってある事実を話し判断を下すのだった。