AM7:45
、、、、、。
目の前にはトーストが置いてある。
トースターで焼いてジャムも塗ってくれた。
しかも松潤がこだわって買ってたパンだから美味しくないはずはない。
松潤が時間がないなか作ってくれたんだ。
けど、、、けど、けど!!
朝食はオムライスの予定だったんだ。
時間が無くってオムライスがトーストになっただけの話、、、。
時間がなくなったのは不可抗力だ。
俺だけの所為じゃない、、、はず。
だって、頑張ったんだぜ、俺。
ちゃんと6:30に起こし始めたんだぜ。
ただ松潤が起きてくれなかっただけだ。
なんでこんなに起きなかったのか不思議だ。
睡眠時間はしっかり取っているはずのに。
しかも99.9%の確率で起きるはずの秘技のお腹空いた攻撃は枕元に待機させていたゼリーを出されるという裏技でかわされた。
そこまで寝ボケれるならいっそのことオムライス作ってくれ、、、。
と、まあ俺の努力も虚しく松潤が覚醒してくれたのは起こし始めてからゆうに30分以上経過していた。
ここまで起こすのに時間がかかるなんて、俺の携帯電話としてのプライドはボロボロだ。
だって1日のなかで1番の仕事だぜ。
智くんやニノにだってワーカーホリックでエリート(←?)って言われるぐらいなのに。
ズーンと落ち込む俺はトーストに手が伸びない。
そこへ着替えた松潤がトーストを咥えながら戻ってきた。
俺の様子に気付いた松潤がそばまで来る。
「翔さん?
パン、食べないの?
何処か痛いの?
違う?
そう、よかった。
じゃ、はい、あーん」
と俺の口までトーストを持ってきた。
まさかの『あーん』。
「おいしいよ」
そしてニコッと笑う松潤。
気が付いたら俺はトーストに齧り付いていた。
口いっぱいにトーストを頬張りモグモグと咀嚼していると松潤が俺をジッと見てきた。
「ごめんね、翔さん。
頑張って起こしてくれたのに、なかなか起きれなくて。
しかも朝食はトーストだけになっちゃったし。
今度のお休みには好きな物作ってあげるから、今日はこれで許してね」
松潤のウルウルキラキラな瞳で見つめられてそう言われちゃ仕方ない。
ごくんとトーストを飲み込んで深く頷く。
「何がいい?」
「・・・オムライス」
「ふふっ、いいよ。
そうしたらケチャップで何か書こうか?
『ありがとう』かな、それとも『感謝』とか?
んー・・・『ダイスキ』もいいかも。
ね、どれにする?」
、、、マジか!?
「だ、だ、だいす・・・」
「ん?
ごめんね、聞こえないからもう一回お願い」
「だ、大丈夫だから!!
・・・松潤の手間にならない文字でいい」
「ふふっ、そっか。
ありがと。
あ、翔さん、ここにジャム付いてる」
そう言って口を拭ってくれる松潤。
、、、あれ?
、、、なんだよ、ほぼ希望通りの展開じゃねーか。
、、、まあ、日頃の行いが良いからな。
今日だって一応起こせたしな。
当然か。
うんうん。
「翔さん、頭揺れているけど眠いの?」
違う!!
「そ?じゃ、行こっか」
よし。
今日も俺は松潤の胸ポケットに意気揚々と潜り込む。
fin