▼S▼

 

 

 

 

 

 

 

会社へ向かう松潤の鞄の中。

 

後ろから聴き慣れた足音が聞こえてきた。

 

 

「まっつじゅーん、おっはよー、ふぁぁ。

今日も花粉がよく飛んでるね・・・クシュンッ!!ズビッ!!」

 

 

挨拶しながら欠伸してくしゃみをし鼻を啜る相葉くん。

 

相葉くんも花粉症持ちだ。

 

最近は松潤とよく花粉症対策の話をしている。

 

 

「おはよう。

今日は風が強いからまた一層花粉が飛んでるね」

 

「だねぇ、ズビッ。

今日は一日こんなかなぁ、ふぁぁ」

 

 

鼻をすすって欠伸をして忙しい男だ。

 

 

「眠そうだね。

大丈夫?」

 

 

そんな相葉くんを心配する松潤は優しいな。

 

さすがだ。

 

 

「ベーぎ、ベーぎ、ふぁぁぁぁ」

 

「・・・やっぱり症状で寝れない?

それとも薬のせいの眠気?」

 

「薬のせいじゃないよ。

んー・・・寝付きはそんなに悪くないんだけどね、ズビッ。

途中で目が覚めちゃって」

 

「そっか。

熟睡できなかったんだね」

 

「そうなの、ズビッ。

でもね、症状のせいじゃないよ、、、いや、ある意味症状のせいだけど。

大ちゃんとニノがね、2人して寝てる間におれの鼻の穴にティッシュを詰めてくるんだよ、ズビッ。

で、息苦しくなって目が覚めるんだよ。

・・・って言うか死にそうになる、ズビビー!!」

 

 

、、、なるほど、その眠気の原因は相葉くんの携帯電話にある、と。

 

相葉くんの携帯電話は俺と同じ人型だ。

 

彼奴等のことだから面白半分、そして半分は本気の心配で鼻栓したに違いない。

 

それが相葉くんだってわかっているのだろう。

 

声質に怒りが含んでない。

 

むしろ嬉しそうな感じだ。

 

平和で楽しそうなのは良いことだ。

 

しかし俺ら携帯電話も花粉症の持ち主を持つと心配事が増えて大変だ。

 

手のかかる持ち主をしっかりと面倒みないといけないな。