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前田あかねです。


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飼い猫が亡くなってからあっという間に3ヶ月が過ぎてしまいました。



3ヶ月経って振り返ってみると、猫の亡くなり方が
「これぞ理想の死に方だ」
と思う最後でした。



それまで自分の理想の死に方をはっきり意識したことはなかったのですが、
猫が目の前で見せてくれたことではっきり意識することができた、と思います。






猫を飼い始めたのは生後4ヶ月のころ。


母猫から猫風邪を生まれつき受け継いでいて、冬になるとよく鼻水とクシャミをしてました。



医者からはこれは完治しないと言われたし、気候が暖かくなると症状もなくなるのであまり気にしませんでした。


病気といえばそれくらいで、10歳過ぎるまで割と元気に過ごしていました。





10歳を過ぎた頃から腎臓の調子が悪くなり、薬を飲ませていました。


腎臓の薬って一度飲み始めたら、もう死ぬまで飲むものだと言われました。


ですが、私は薬漬けにすることをあまり良く思っておらず(それが猫でも人でも)


一年ほどは飲ませましたが、調子が良さそうなときに試しに薬を辞めてみました。


薬を辞めても猫の様子は特に変わりませんでした。


具合が急激に悪くなるようなこともなかったので、そのまま腎臓の薬は辞めてしまいました。





そして15歳を過ぎた頃から、だんだんと痩せはじめてきました。


飼い猫の寿命は個体差はもちろんありますが、だいたい15歳あたりだそうです。(人間で言うと80歳くらいかな?)


見た目にはそれほど分からないけど、抱っこすると軽くなったなぁと分かる感じ。


痩せてきてはいるけど、この頃はまだ走ったり椅子に飛び乗ったりは普通にしていて元気な様子でした。





痩せた以外で気になる点としては、胸に腫瘍ができていました。


毛に隠れて触らないと分からないけど、けっこう大きめの腫瘍でした。


腫瘍の標準治療は切除しかないみたいで、15歳を過ぎた老猫に麻酔などは使いたくなかったし、本人も気にしてない様子だったのでそのままにしていました。



16歳を過ぎた頃、明らかに急激に痩せてきていました。
体重は3キロもなかったと思います。


水はよく飲んでいたけど、ごはんをあまり食べなくなっていました。





そして、夏で暑かったのに、猫風邪の症状が出ていました。
クシャミと鼻水です。


これまでは寒い時期だけ症状が出ていたのに、免疫が落ちて抑えていられなくなったのだと思います。


それから、トイレは人間のトイレを使っていたのですが便座に飛び乗れなくなり、猫用のトイレを床に置いてそこでしていました。


亡くなる2日前まで、自分でトイレに行っていましたね。


亡くなる2日前から何も食べなくなり、水も飲まなくなりました。


というか、もはや起き上がることができなくなっていました。


横になっているお腹が上下するのを見て、
「まだ生きてる」と確認するような状態でした。


私はその背中を撫でながら、
「ずっと一緒に暮らしてくれてありがとうね。大好きだよ」と何度も伝えました。


その2日後に亡くなりました。


16歳と2ヶ月でした。




ほんとに静かに、呼吸が止まって終わったという感じで、死を怖がるでもなく苦しむでもなかったです。


寿命が近づいてきたら、だんだん食べる量が減り痩せてきて、ただ静かに呼吸を終える。


私の理想の死に方を猫が実際にやってみせてくれた、と思いました。


死は怖いことじゃない。


単なる自然のサイクルなんだ、と。