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平らな海に漂う舳先

浮かぶ小さき舟に乗り



冷たい月を抱き蒼ざめた

水の面に櫂を刺す




波音は

血潮の巡りと同化して


繰り返す鼓動

気怠く

夢の無い眠りを誘い




行方尋ねて見上げた空も

水を映して蒼ざめて。






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ずっと尖り続け
疼いて痛む胸の先端を

傷を舐める猫のように
舌で優しく撫でて


蜜の器の中心を掻き混ぜて
生まれた波紋を重ね合わせた幸せは

マロニエの花の香りがしたわ



裸で見る夢を信じるのは容易かったの



メレンゲみたいな
ふかふかの枕に濾過された寝息は

柔らかく白く
部屋を漂ってた






バイバイ、ベイビー、夜が明ける





午前4時、
高速道路を駆けて

冷たい朝の空気に頬を撫でられても
まだ目は覚めない



パーキングエリアで買ったコーヒーは
ガシャンと耳障りな音をたてて
自販機口から滑り落ち


プルトップに指をかけながら
見渡した街は灰色




向こうに見える鉄塔が
冷えた情熱だとしたら

鉄橋を渡るあの鉛色の塊は何?


始発電車はからっぽで
轟音と風を巻き起こしながら
途中、駅々で中身を詰め込むのね

そう、あの塊は日常











ねえ、夜が明ける



幾重にも重なった薄い雲が
太陽に脆く崩れて

白々とした光に眼差しを焼かれても
まだ、メレンゲの残像は消えない



そして
パーキングエリアのコーヒーはぬるくて


ぬるくて甘すぎたの







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降る雨の銀色のスクリーンに
映し出される色の無い影絵


それとも

降っているのは
星なのかもしれない


またたく銀を背景に
消えゆく夢の輪郭だけ映して





霞む雲を抜けて

魂の透き通った翅を広げ

飛翔しよう



薄い身体を軋ませて
風を創る痛みに耐え


虹が落とした
七つの影を飛び越えて


高く


高く