・若き日の夢に今なお生き迷う敗れし吾と勝てし友たち
 

私には大学同期に二人の親友がいた 彼らは勤めたばかりの会社を退職し 私を追うようにドイツに留学してきた ほぼ3年間 それぞれが貴重な経験をした 帰国後一人は外資系の会社に もう一人は大手の上場企業に入った 3人の帰国時期も1年程前後して ほぼ同じ時期だった 結婚したのも同じ頃だ

帰国後 そろって会う機会があった 3人とも少なからず将来を決めかねていた 歳は26~27 当然 まだドイツの記憶が鮮明に残ってる 日本に比べ、いろんな分野でドイツは進んでいた 当時から環境問題も大きく話題になり ゴミの分別・レジ袋など・・・その初歩的な意識に置いても ドイツ人は日本人の30年 いやもっと先を行っていた

「3人で何か出来ないか?」と云う話題になった いろんな話が出たが 何も具体的にはならなかった あれから43年 「たら・れば」は無意味だが 「過去への夢」として蘇ることが一つある あの時農業をやりたいと誰かが云ったらどうだったろうか 勿論 一朝一夕に出来る事ではないし やり通すことは困難だったかも知れない でもあの時その発想があったら 3人の気持ちは揃ったかも知れない・・・

二人はその後 それぞれに確かな道を歩んだ 中途半端な私だけが「過去への夢」に惑わされているのだ・・・
 

 

写真は3人がドイツのそれぞれの町を出発してイタリアのミラノだったかローマだったかで合流した後 フォロローマのカラカラ浴場で 歌劇「アイーダ」を観た時のものだ 遺跡を舞台にし 本物の馬や象やキリンが登場する