・日に焼ける線路にそっと耳を当つ遠くを聴けば陽炎の見ゆ

小学校の夏休み 田舎の川の上流に先輩後輩の仲間でよく泳ぎに行った 流石に上流は水が冷たくて体が冷えた 帰り道 少し遠回りだが電車道を通るころにはすっかり体も暖まり日に焼けた石や線路に耳をあて中に溜まった水を出すのだ 時にはガタゴトと遠くの電車の音が聞こえる それを聞こうと遠くを見た時に真夏の暑い電車道に陽炎が見えた 60年も昔の事だ・・・

 

 

その線路もすでに廃線になっている たくさんの人を運んだ電車がひっそりと草むらに置かれている