・立ちあがる一瞬の間に老いの影背筋伸ばして妻の前行く

 

還暦を過ぎ、肉体の衰えを感じ始めてなお妻にはカッコいいところを見せたい・・・見栄っ張りな哀しい歌なのである

 

 

・あの夏の山よ川原よ野よ丘よ吾ら団塊小僧の世界

 

田舎生まれで団塊世代の私、当時は子供が街にあふれていた。夏休みには裏山や川や小路やお寺の境内を我が物顔で走り回っていた。

 

 

・逝く祖母のしとねに詰めて懐かしき幼き夜の温もりを想う

 

20歳の時だった、電報を受けて帰省、自宅での葬儀、たくさんの親戚近隣の方が居並ぶ中、祖母のしとねに膝を寄せ手を合わせた。まだ幼かった頃、祖母のふとんに忍び込んだ記憶が甦った。