こんにちは
ビートルズのアルバムの不思議は、たった2チャンネルなのに、立体的な表現が特出しているところです
このアルバムは、音像が左へ右へ目まぐるしく動き、前に出たり後ろに引っ込んだり
ショーを客席から楽しむ疑似体験が出来るのです
この素晴らしい録音技術から、グラミー賞の「最優秀エンジニア賞」他全4部門で受賞しています
もちろんメインは最優秀アルバム賞です
ビートルズの活躍した時代(このアルバムは昭和42年発売)は、ポータブル・プレーヤーやラジオが主なメディア
だからこのアルバムもモノラル・ミックスに力を注いでいます
モノラル・ミックスのアセテート盤(実際に家庭のプレーヤーでどのように聴こえるかの最終テスト盤)が完成するとメンバーは次のレコーディングの準備に入ります
ステレオ・ミックスは、メンバーのいないスタジオで、プロデューサーのジョージ・マーティンと、レコーディング・エンジニアのジェフ・エメリックにより、数日間で仕上げられました
総制作時間700時間のうちの数日間
それなのに、劇的な音場空間の表現です
更に面白いのが、各国盤で音場表現に違いがあるのです
当時のレコードの製造工程では、マスター・テープをコピーして、各国のレコード工場でカッティングとプレスを行なっていました
元々のマスター・テープをリミックスする作業は無いはずなのですが
このドイツ・オデオン盤は違います
まずはジャケット
前回のジャケット写真は、撮影が下手で、左端のモハメド・アリが見切れていましたが、今回は大丈夫です
レーベルです
ドイツ盤のマトはレーベルのカタログ番号と一緒でした
音場(音像?)が違うのは、Sgt. Pepper'sからの2曲目、With a Little Helpでのビリー・シアーズ(リンゴ)の登場の仕方です
オリジナル・ステレオは舞台正面に設置された階段の上から、歌いながら真っ直ぐに降りて来るように聴こえるのに対して、ドイツ盤は舞台左上側から中央に向けて階段が緩やかにカーブして、そこを降りて来るような感じなのです
ドイツ盤の方がドラマチックです
ナゼこんなに聴こえ方に差があるのでしょうか
何度聴いてもこの印象が変わることは無いのです
中々文章では表現出来ませんが、特別な経験です
今回もまとまりの無い長文にお付き合い頂きありがとうございました
ではでは