★ジキル博士とハイド氏(1941)
これが噂の、伝説のイングリッド・バーグマンの美しさか。。。美しさと強かさをもちつつ、振り回し、振り回される感じ。
1931年のフレデリック・マーチ版のほうが全体的にはげしめで好み。本作は結構地味な展開だが、緊張感が後半は続き、悪くはない。何よりも、霧深いロンドンの夜の街、ガス灯しか明かりがない闇のなかで疾走するマントの男のシルエットは最高。
1931年版も善悪を分離することで完全な善人になれる、という謎理論で展開されるが、今回のほうが、前の作品よりも性的事柄への描写が強い。
だからどちらかというと「善ー悪」の構造よりも「抑制ー性欲」のようなイメージが変身時に強くて、じゃあなんで性欲以外の邪悪とされることもやってしまうのか、というところはよくわからない。
フレデリック・マーチの顔がちょっと幼かったような覚えがあり、前作では抑えられてた性的事項についての描写が結構生々しくなった感じ。
まあ、女の人の足を映画で映すことじたいがセンセーショナルな時代だったことと、キリスト教圏における性欲は絶対悪のひとつだったから、モチーフとして描きやすかったのだろう。
ちなみに主演のスペンサートレイシーは、温厚な役柄を演じることが多かったが本人は結構気性が荒かったらしい。

★赤ずきん
あんま盛り上がらないけど、悪くはない。
うん、決して悪くはない。
セットとか自然の撮影がすげーきれい。
トワイライトとか好きな人にはあうんじゃない?
あーでも、今まで観た狼男の中で一番かっこいい狼だった。真っ黒で眼が金色ってシンプルでよいなあ。

★少女歌劇レヴュースタァライト
熱が冷めないうちに

ポジションゼロッッッ‼️THIS IS‼️‼️

カキーーーーーーン‼️‼️‼️‼️
(バミリが閉まる音)

私はいつだって可愛いッッッ‼️‼️

血がドバーーーーー‼️‼️‼️

狼狽えるなッッッ‼️
……………舞台装置だ
キリンが津田健次郎。

キリンがあり得ない景色を走るという風景から真っ先にダリの絵画を想起した。またキリンが野菜になるところはアルチンボルドのオマージュであることに間違いない。

後者のイメージに個人的な理解のおとしどころはわからないのだが、

前者の明らかなダリのオマージュについては
ダリが表現しようとした、シュルレアリスムが現実を超越しようとしても現実から逃れられないという宿命を背負っていることと連関しているように感じた。

キリンはその現実を越えた非現実を創ろうとしても絶対に切り離すことができない現実の世界を象徴しているのではないか。
だから、舞台が輝くためには燃料が必要だと言い残して、そのキリンは燃えて生死は不明である。

キリン=現実 を燃料=エネルギーとして物語や演劇が創られていて、当然ながらその苦闘はいつまでも続くのだろう。

可愛いキャラが死ぬのがいやだからアニメは日常系しか観ない性分で、
「たぶんいっぱい死んだり、辛い目にあうキャラがいるんだ、覚悟せねば」と思って身構えて途中まで真剣に考えながら観ていたが、デコトラが出てくる前のバトルで、これはDont think.feel.の映画だと悟って、デコトラの部分などはかっこよくて笑ってしまった。
本当にかっこいいものを観ると人は笑う❗️
お互い戦いあいながら、いっそう仲良くなる、というか、深い魂の繋がりを見つけ出す、という点では、ジャンプの漫画を読んでいるようでもあり、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの「HEAT」にも通ずるテーマがあった。

ラヴライヴのかわを被ったエヴァ、まさにそのとおりだとおもう。
し、マッドマックス怒りのデスロードや、ダークナイト、パラリンピックの開会式(制作時期からして予言では?)などを彷彿とさせる(明らかに意識してる)場面もあり、
個人的には「エルトポ」も思い出した。だが、他者の心のなかに自分が入り能動的になにか大きな出来事を引き起こす、という点ではまさしく、インセプションのような「これは誰の夢(舞台)なんだ?」と観客に思わせる

 

★不思議惑星キン・ザ・ザ
ロシアの演劇学校は世界で最も厳しくて忙しいと言われている。
その訓練によって培われた 技術や表現に 限界を感じている人が作ったような 支離滅裂な映画
芸によって身を助けるという展開はエルトポ思い出す。
雰囲気もエルトポに似ている
地球に帰りたいけど帰れないと言う 物語は 何か強い指向性を感じる
人生には 悪い退屈といい退屈の映画があって この映画は 良い退屈よりの映画な気がする
★太陽の帝国
戦場のメッセンジャーのために観たのだが、怪物人狼に役立ちそうだった。
なにかを背負う、背負わなければならない子供や青年同士の友情や交流が、例え悲劇的な終わりを迎えるとしても、そこには新しい歴史や価値観が創られる契機があるような気がした。
敗戦が決まり日本兵の青年が自暴自棄になって刀をふってるところにジェイミーを見つけると、その自暴自棄が消えて純粋な笑顔になるところで、ウッと泣きそうになった。
クリスチャン・ベール、天才子役過ぎるだろ。
最初から主人公の少年に過度に感情移入させることなく(使用人への態度など)
これから襲いかかる災難はある程度当然の報いだろうと思わせる。
ある種、少年は「信用または信頼できない語り手」である。
だがそれは、当時の中国、日本、アメリカ、主人公の育った家、アメリカ人のコミュニティも同じで、いつ敗者になるかわからない、信頼できない国という存在の鏡写しである。
セットとか、どこまでが実写なんだろう。
これは全部実写だなと思う場面はすべて壮大で実写でドでかいスケールを描くと、何年も残るなあ。と思った。

★イノセントボイス
子どもは魂の位置が高いところにあって身体からちからが抜けるのがデフォルトなのかな、と思った。 年をとるとどんどん楽しいの位置が地面に近づいていくような感じがする
老人も神父も子どもも無力であるという現実を見せつけられる。
銃撃戦が突然起きて 友達が死んで そこから逃げることもできずに することはギターを鳴らして歌を歌うこと
紛争戦争 とか災害とか貧困とか の前で 文化芸術は役に立たなくなる時が多い
でもその真っ只中で 何にも他のことができなくなる時がある その時には文化芸術しか 時間を 過ごさせてくれる物がなくなる

戦争中でも12歳でも めっちゃ女の子に対して積極的なのか笑っていいのかどうかわからない
お母さんがすごくしっかりしていて 子供が外出禁止の時間を破ったら、バシッとしかってその後は 別の子供のいたずらで笑ったりする そこまでの気概がないと生き残れないんだと分かった

★ミスター&ミススミス
前半1時間くらいのストレスフルな展開が後から発散される点で活きてくる。
アンジェリーナ・ジョリーはいい演技をするなぁ、と感動した直後にヤりまくってて笑った。
敵がなにかの大ボスがいるのだろう、そいつと戦うのでは?と思ってたのに雑魚敵を倒すだけで、その点がやっぱ消化不良だった。
やはり、最後にはでかいボスとの対決が不可欠だ。
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの殴り合い、蹴り合いは非常に貴重。
今の時代じゃこんなの世間から怒られて終わるんだろうなあ。


★ワイルドスピードスーパーコンボ
ワイスピ一度も観たことないけど、普通に面白かった。二大スターがドンパチやってくれればそれでいいんだ、きっと。
でも、それなりに次回脚本に生かせそうだとも思った。

★007ノータイムトゥダイ
007観てきたーーーー‼️‼️‼️
最高だった、こうでなくっちゃ。
闇落ちしたフレディ・マーキュリーことラミ・マレック兄貴も最高だし、ハンス・ジマーの音楽特有の重低音がドゥンドゥン流れるのでいつ蝙蝠男が現れるかと脳汁が出まくりました。僕が好きなものが全部そこにあった。全作観てきてよかった。
あー素晴らしかった。本当に3時間
終わってほしくなかったよ。幸せだったよ。

007ヲタから言わせると、バイクから飛び降りる瞬間の身のこなしが、2006年のカジノロワイヤルの時のクレイグに戻った一瞬があったんだよ。サッと両手を真横に振って軽やかに歩くあの感じ、、、わかるかなあ、、、

007には呪いがあって、女性軽視の描き方が何十年も問題があったんだけど、男だとか女だとか老人だとか子どもだとか、そういうのは関係なく、どういう魂があるのか、どういう戦いをしようとするのかということに着目してみると、この作品は、女性の描き方を、きちんと尊重しつつ、なおかつ全員の描き方を尊重することでジェームズボンドというキャラクター自体の深掘りもきっちりして、しかも最後は「青い眼」で終わらせる。。。

いや、そんな枝葉末節はどうでもよいこと。
とにかく幸せだったよ、3時間。

★生きてこそ
外に並んでるのは肉の塊だ。文明人と自然の2項対立。
人肉を食べざるを得ない極限状態でも、軽口を叩けるユーモアが命を繋ぐ。
ユーモアもまた、人間にしかできない行為だ。
人肉を食べる場面自体は比較的さっぱりしてるのでそんなに見づらくない。
映画のジャンル。数分前までユーモラスな場面なのにその後上記のような人肉食の場面がある。この映画をヒューマニズムというジャンルに分けていいのか?サバイバルサスペンスというジャンルにもなる。
ダーウィンの種の起源じゃないけど、変に細かい分類は本質を見えなくさせる。
てゆーか、そもそも、ひとつの映画にコメディやホラー、アクションやサスペンスという複数のジャンルがあったほうがいいじゃないか。
人肉を食って、一晩中雪山を歩いて、バッテリーを探して、帰るときにそりに乗ってフォーっていう。これはなんなんだろう。分類不能の素晴らしさ。
またイーサン・ホークが主演だったよ。
1970年代の映画かと思ったら1991年の映画だった


★蘇る金狼
狼、とタイトルについてたから観た。
面白い。粗削りな下手したら学芸会みたいな脚本を俳優たちが戯画的、立体的に作り上げている。
 

★パディントン
種族が違う、住む世界が違う。
うーーむ。
映画としてはとても面白かった、イギリス的な無駄のないストーリー展開だったし、パディントンも可愛かった。
自分が今考えている脚本もおとぎ話のようにしていいのだろうか。そこから大事なものが抜け落ちてしまわないだろうか。

★狼チャイルド
繊細だが、盛り上りには欠ける。
それくらいかなあ。ほんとのおおかみこどもだった。

★ウルフコップ
なんにも残らない。ジェームズ・ガンのスリザーあたりを目指したような感じがするけれど、超絶つまらない。

★真・仮面ライダー序章
多分小学生ぐらいの頃に見た 僕の人生の中で割と初期の仮面ライダー体験をもう一度してみた。
なんで僕の親や家族はエロはダメだけどグロは OK という方針でこれを見せたんだろう。
その時からこの グロテスクの仮面ライダーは大好きで 今の僕にも影響を与えていると言っても過言ではない
未来の子供が自分を助けてくれるという展開は本当に素晴らしいのでメモしてしまった それにこの悲しい終わり方の結末もとてもいい。

★仮面ライダーZO
何も考えずに観られるのに重量感がある。そして48分はあっという間に終わる。しっかりツボを押さえている印象。

★仮面ライダーJ
ZOよりも画で魅せることに特化されたように思えて、どちらかといえばZOよりJのほうが没頭できた。
敵の倒し方も目を潰したり、女性らしい敵のキャラのお腹をパンチしたりそれによって 女性の敵の幹部の口だけは スタントマンの人がやってるっぽいので生々しい 痛みとかが表現される。
それになんか帝都物語みたいな 気持ち悪いキャラクターが 小学生の女の子に襲いかかる場面があってやばいロリコン趣味みたいな感じもあってそれはそれで テレビで放送できないことをしようと思う気概を感じて 悪くないと思った。

★キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
騙しと追跡の名作。
とっさの機転で詐欺師が、FBIに自分も同類だと思わせる場面がよかった。

★ボーダー 二つの世界
脳汁たくさん出ました。
モザイクの向こう側で何が起きているのかわからない。それは生殖器が我々が一般的に想像するものとことなるから。
彼ら彼女らはトロルである、と明言されたときに、何か理解した「つもり」になっている我々観客。訳のわからないものに、名前をつけたがる、つけざるを得ない西洋的な性分。
その人個人の精神の流れかもしれないのに、ADHDだの双極性障害だのと名前をつけて、なぜかそこで安堵してしまう、人間。

★デンデラ
あの、日本海側の東北だからこそ見ることができる地獄のような色をした夕焼け。
そして走る浅岡ルリ子の横顔の美しさ。
2010年代の邦画のなかでもかなり素晴らしい部類にはいるのではないか。
文句無しの名作。

★美女と野獣 実写
確かギレルモデルトロが美女と野獣ではどうして最後に野獣からイケメンの人間に変わってしまうんだろうっていうことを言っていた気がする。 それは完全に同意なんだけどそれ以外の部分は本当に素晴らしかった。
恋愛ものは大きらいだから期待しないで見てたけど ちゃんと人間ドラマがあって 納得できるラブストーリーだった。何か一つこちらがしたら相手からも何か一つ返ってくる その繰り返しによっていい恋愛ものの物語を作ることができる のだなあと思った。
そしてこれも誰かが言っていたことだが そんなに派手な CG とか 美男美女 を足しても本来は 物語の力は「昔々あるところに」という言葉に凝集される。


★ヴィレッジ
観て良かった。
その時代にはあるはずのない単語が連発してくると非常に盛り上がる。
私はスーパーの店員で、、、
私はペンシルバニア大学の教授だが、、、
彼は仕事のパートナーで、、、
オチを知ってたから驚きは半減してるけどそれでもこの場面は非常に 胸が高鳴った

★ウィッカーマン
1977年のオリジナルのほう。
結局、警官もキリスト教も、少数派だったらなんのちからにもなりはしないよね。
この映画はフィクションだけど、魔女狩りや異端者の殺害はキリスト教の人々が何百年も前から何1000万回と繰り返してきたわけで、そういうバックボーンがあると、これはささやかな復讐ですらない。
さらにいえば、50年近く前にこんなに素晴らしい、突き放した無神論的世界観から造り出された映画があるというのに、欧米では未だに8割がクリスチャンで、無神論者として覚悟を決めるものがいないことと、ラストの夕日が沈む場面は、神という妄想を頭に飼っておかないといけない人類は永遠に愚か者であるというメッセージが付与されるように感じている。
だってこの映画ではキリスト教と、それと異なる別の宗教両方にたいしておかしいといってるし。(生け贄を捧げても作物は実らない、とか)
アメリカの国民の3割がLGBTQであると自覚している、というニュースが(ガセかもしれんけど)あって、それよりも僕は8割がクリスチャンである事実のほうが批判するべき事実だと思う。国民の大半が、悪魔よりも多くの人間を殺した架空の存在を称え、教義として受け取り、地域社会を支配する「教会」という相互監視と「懺悔」という自己正当化のシステムをつくりあげていることに、自由の国の人々が縛られて生きていてこれからもそうなるという事実のほうに目を向けないほうがおかしいと思う。

★狼の紋章
思ったより面白かった。全体的に台詞が少ないのもいい。
しっかり、人間は唾棄すべき存在です、と言っているのも個人的にはいい。
様々な事件があり、生徒と先生の恋愛的な事情は全体の1%程度におさめてあとは暴力をガツガツと描く。
何よりも素晴らしいなと思ったのは、オオカミの目が光るのが緑色だということ。
これは実際に(国外の)山奥でオオカミを見た人や、昔の文献でオオカミの目は暗闇で緑色に光るということが伝えられているので、おお、わかってるなあ。と思ったよ
そして映画初出演の松田優作が出ている。それだけでも一見の価値がある。
初出演でこんなたいへんな役をやってたのか…。

★おおかみこどもの雨と雪
まだ15分しかたってないのに嫌悪感しかない。そもそも狼男=人間の想像力の極地をモチーフとしながら、恋愛だのボーイミーツガールだの雑味をくっつけるこの脚本家は自分の才能の無さを疑った方がいい。
この作品、作り手が
「こんなモチーフいいよね~あれもこれも」つって徹底的な調査もなんもせず雰囲気で創ったのがわかるから全方向に舐め腐ってるわ。狼男というモチーフもひとりで子育てをする人も田舎で生活しようとする人も、なんとなくいいなと思ったから絵にしただけ。
最初の15分があまりにも酷すぎて、中盤良い場面があっても無感情で観てしまう。
それくらい酷いし、たぶん今からふたりの子供が狼の血が混ざっていると村のみんなに知られてかわいそうな目にあうのだろう。
雨がニホンオオカミとして山で生きるというオチはまあ悪くないし、おじいさんのキャラや人狼姉弟の激しい喧嘩など、おっ、と思うところはあったが、最終的にはなんも残らない映画。

 

★スパイダーマン ホームカミング
青春ヒーローものの皮を被った何か不安を煽るような後半の展開は、悪いことが重なる思春期の時期に、ああ、わかるなぁ、と思ってしまった。けれど、そんなに重たいテーマが残るわけではない。

★イミテーションゲーム
ベネディクトカンバーバッチの良い演技の部分は 体の力が抜けきっているのに 真理を話しているようなところ そして 非常に賢者のような老人になったり 時として 突然子供のように振る舞ったりするようなそういうところがとても 天才らしい感じがした。
自分がどう見られてたかとか そういうことじゃなくて 自分がどういう風にその舞台にいるのかの方が大事だなと思った。
意外とわらかせようとする部分もあったりして 2時間あっという間だった。
ビューティフルマインドといいこの映画という事実に基づく天才の映画ってバーとかパブで突然とてつもないことを思いつくことが多いなあ

★アホーマンス
もしも松田優作がターミネーターだったら。
もう、最後のネタバラシでスマホの画面に向かって「うそっ‼️」て言っちゃったよ。
音楽、宇崎竜童かと思いきやこれも松田優作。松田優作が監督だということを最後のクレジットで知ったので、最後らへんの無音の場面、この手のものはクライマックスにかけてテンポアップするが、この作品は非常にゆっくりとした無音の時間が流れる。
最後の赤い霧にバイクが消えていくのもよい。
ちなみにアホーマンスは
阿呆とパフォーマンスを組み合わせた造語だそうで。
すごく実験的だった。カメラがカクカク90度動く場面とか。
ゴミ収集車の3人組を自転車かなにかでガンガン走って追いかけまくるカメラアングルなんかも最高であった。

★氷の花火 山口小夜子 
伝説のモデル山口小夜子のドキュメンタリー映画「氷の花火」を観た。
この主役の美しさは言わずもがな、だがそのまわりの人々も元気すぎる!かわいいおっちゃん達が実は山口小夜子とともに活動していたときは皆キレキレのイケメン。
山本寛斎は途中出てきて憎々しく思ったが、最後にはとても共感。
何よりも、80年代に専属契約が終わった資生堂のポスターに、山口小夜子さんが1999年の50歳くらいになった時にまた現れてのキャッチコピーが

山口小夜子さんはこの頃
美しさを楽しんでいます

という、写真とともに軽やかなキャッチコピーで、その場面で信じられないくらい号泣してしまった。

★ディセント
B 級ホラー映画の割には音楽が物悲しげでとてもいい
1時間ぐらい経ってやっとバケモノがいっぱい出てくるんだけどそこからはもう非常に楽しく見れた。
でも 不慮の事故で友達を殺してしまって その殺した犯人を ひどい目に合わせる主人公に全然共感できないけど最後はかっこいいと思った。暗転が多いのといい感じに照明が機能しているので舞台作品を見てるような感じだった。地獄の黙示録などのオマージュもあり、カッコいいからヨシとする。

★狼の血族
内容が全然頭に入ってこないくらい妄想の中に妄想の中に妄想があるみたいな感じなんだけど一つ一つの場面の美しさっていうのでいいなあというふうに思った。
わけわかんないまま終わるんだけどあーここで終わってほしいって言うタイミングでばしって終わったのでちょっと笑ってしまった
また狼男ではなくオオカミ女 の場面がちょっとだけあってその点でも非常に貴重じゃないかなという風に思う
さらに特殊メイクで人間の顔の口からオオカミの口が飛び出てくるという結構面白いの変身の仕方をしていた。
なんか雰囲気を楽しむ映画だと思う。


★ゼイラム
女性ヒーローであることにたいして、性差の表現があまりなく、観ていて清々しい。
森山裕子さんは美人だなと思ったし、蛍雪次郎さんは途中でダイ・ハードみたいな格好になってた。あと蛍・雪次郎な。
この手の、一般ピーポーが異世界バトルに巻き込まれるものでは、一般ピーポー同士の日常会話がちぐはぐだったり不自然だったりするのに、普通に生き生きしていて、笑える。
あとゼイラムが喋らないのもいいなあ。
そして最後は記念写真して爽やかに終了。
無駄がなくて面白い。

★トゥームレイダー
なーんも考えずに観られる。が、素晴らしいのは最初のエジプト的な遺跡にいきなりターミネーター的なロボットが出現しアンジェリーナ・ジョリーと戦うところ。
観客をおいてけぼりにしても、その両者の関係だけ、つまりここでは「どちらかが殺し殺される」という関係だけ、台詞なしで動きで表現できれば、そのあとにベラベラと説明すればよいのだ。
あとダニクレが出てた。アンジェリーナ・ジョリーの最後の殺陣もいいかんじ。

★アトミックブロンド
正直、俺の理解力がたりないためか、話が込み入りすぎてよくわからなくなっている。前半がたるい。何をするべきかがよくわからない。だからエンドクレジットのアンダープレッシャーの曲も空回りしていて、ちょっと不完全燃焼。
でも、シャーリーズ・セロンの殺陣は最高で、お互いフラフラになりながら殴り合うあの生々しさは他の映画では見られないし、
ちゃんとした戦闘訓練を積んで実力があれば男2人VS女1人の戦いでも勝ち抜けられるというのを説得力をもって見せてくれる。


★バードマン
芸術家になれないものが批評家になり兵士になれないものが密告者になる
低俗な映画に馬鹿が金を突っ込む
マイケル・キートン好きだわ。すごく難しい役なのに完璧だった。
エドワード・ノートンも好きになった。
エマ・ワトソンもこんなによかったっけ。
批評家が負ける部分は純粋にスカッとする。
ジェイク役の俳優がジェイクギレンホールに似てて面白かった。
てかこれ、バベルの監督の人なのか。

★黒蜥蜴
ハイテンションのまま疾走する1時間30分。
美輪明宏の美しさがよくわかる。
三島由紀夫は死体?人形役で登場。
台詞回しも、脚本が三島由紀夫ということで謎の説得力があり、普通そうはならんやろ、という展開も何故か納得してしまう。
黒蜥蜴の手下と明智の手下同士が恋をしたり、黒蜥蜴のことを明智が本物のダイヤだと言ったり。
美輪明宏が女の手下を誤って殺してしまったときの、許して、という言葉とか、明智を殺すか殺すまいか悩む場面の所作なども伏線として作用して、普通そうはならない、と思う展開も謎の説得力がある。
TOKYOとか OSAKAとか、いちいち自己主張の激しい字幕が出てきたりするのもいい。
最後の女の手下が金のコンタクトレンズをつけて明智に毒蛇を投げつけたのは、同じ深作欣二の魔界転生の天草四郎を想起させた。
この時代のこの手の映画は結構超展開で好きだ。これがそのまま舞台、脚本にできたらいいのにと思う。
黒蜥蜴の棲みかはすでに警察が何十人も潜んでましたー、とか、手下と囮は2人とも自由だから好きなとこへいっといでー、とか。
それくらい自由でいいのかもしれない。


★キングスマン ファーストエージェント
キングスマンファーストエージェントを観てきた。
しかも初のイクスピアリで。
前半の親子関係の描きかたなどが丁寧で「あれ?これ本当にキングスマンだっけ」と思っていたら中盤からのキングスマンらしさが湧き出てきた。スパイ映画ではなく戦争映画だという意見もあるが細かいことはいいじゃない。
だってリス・エヴァンスとレイフ・ファインズという英国を代表する2人の偉大な俳優が
パンツ姿になったりゲロ吐いたり、冷たい水に入ったりノリノリでリアクション芸しまくるなんて、キングスマンフランチャイズでしか見られないだろう。
ぶっちゃけ前評判的に感想が流れてきていたから期待値を低くしていたが、王道の熱いストーリーで爽やかだったよ。

だがエンドクレジットで、個人的に、非常に個人的な理由で
「あーーーーーーーーーッッッ‼️」ってなってしまった。
誰かに言いたいが、あのメンバーにしか言えねえ、、

★ノートルダムの鐘
フロローの性欲と宗教の狭間で苦しむ場面がとてもよかった。宗教と個人の限界。
ディズニーが性、寝とられをテーマにするとこうなるんだ、っていうかんじ。
エスメラルダとカジモドがくっつくもんだとばかり思ってたので、いい切なさがあった。

★野生の証明
成田三樹夫さんがいい。酒田出身。
最後の10分くらいがとてもよかった。
角川春樹の映画は冗長だし、脚本がピンぼけすることもあるんだが、そこは豪華な実力俳優たちがしっかり魅せてくれるからいい。
脚本は、特殊部隊だの予知能力だのしっちゃかめっちゃかだけど、そこに魂からの叫びや、永遠に解決しないだろう人間の業、暴力の業などが包含されているからこんなに偉大な俳優たちが集結したのだと思いたい。


★ホステル
意外と後半は脱出もののエンタメ的な要素があり、それはそれでよかった。
前半の30分のスケベ男3人が馬鹿やるのと後半のオドロオドロしい感じは全くことなる。
狩られる者が狩る側に。狩る側が狩られる物に。
売春宿や風俗で他の人のからだをモノ扱いするのと、殺人ショウで他の人のからだをモノ扱いすることに、本質的な違いはないよ。
という作り手側の価値観がまざまざと受け取れる。
タランティーノの製作総指揮だったらしい。


★オーディション
ア・ホーマンスの石橋凌さんが主演。
すごくよかった。目玉に針を突き刺すのではなくて、目の下に針を突き刺していた。石橋蓮司や國村隼など、狂気を演じられる人ではなくて狂気が好きな人たちでわきを固めている。
また、椎名英姫さんが、たまに小西真奈美にめっちゃにてて、しかも声もかわいいのでビビった。前半は冗長だが、やはり石橋蓮司が出てくるあたりで流れ変わったな感覚がある。
リングと呪怨の間くらいの時期の作品か。味わい深いものがあった。
今ではゴア描写もCGでできてしまうけど、この時代の特殊メイクなどは今見るとチープかもしれないけどそれでもやっぱ、目の下に長い針を刺されている状態での特殊メイクはよかった。