狭心症の手術と術後検査 | Dans La Nuit Magnetique... マグネティックな夜に・・・

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写真にまつわるエトセトラ。
もしくは50年前のカメラと古いレンズたちと、ちょっと旧い英吉利車とのマグネティックな夜。

木曜日と金曜日は検査入院をしていた。
検査といっても、手術レベルの検査である。


実は私、2006年の11月と2007年の4月に狭心症の手術を行っている。
狭心症とは心臓病の一種で、心臓に血液を送っている動脈(冠動脈)の一部が狭窄する病気であり、心筋に血液が行きにくくなることで胸痛が発生する。
これが進行して完全に冠動脈が詰まり心筋が壊死すると心筋梗塞となる。
最近の治療は狭窄した場所にステントと呼ばれるステンレスのメッシュチューブを入れる方法が主流である。
ただし、このステントも場合によってはそこが再度狭窄してしまうことも確率的には残っているのだ。
今回の入院はこの2回目の手術箇所が再狭窄を起こしていないかどうかをチェックするためだったのである。



で、皆さんはおそらく心臓の病気などをしたことは無いと思うので記しておくが、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患は、CTスキャン(それが最新式のものであろうとなかろうと)や超音波エコーのような外からの検査では、ほとんど医学的判断ができない病気である。
つまり、いまの医学の技術ではX線を患部に照射しながらそこにカテーテルを突っ込んで造影剤(ヨウ素系)を流し込み、その流れる様を透視映像としてみることでしか、病変の状況をつかむことが出来ないのである。



具体的にカテーテル検査はこうやってやるのだ。
①入院したらすぐに輸液を静脈に点滴注射。

 これは血中に水分を多めに入れることで造影剤による腎臓や肝臓へのダメージを少なくし、又、

 造影剤を尿として排出しやすくするため。


②用意ができたら手術室へいき俎板の上へ。 
 手術室には透視用のモニターが壁際に並び、手術台を上下にはさむようにX線の装置がある。
 台の上はX線の照射装置が、下にはX線を受ける装置がついていて、

 術者の操作でそれがぐるっと360度左右上下に角度が調整できるようになっている。


③手術開始。カテーテルの入れ口は右手首の撓骨(とうこつ)動脈からなので、ここに麻酔注射を2-3本打つ。
 これは血液検査で腕の静脈に注射針を入れられる程度の痛さ。全身麻酔は普通しない。


④30秒ほどで麻酔が効いてくるので、次はシースと呼ばれるボールペンの芯程度の太さで、

 針状のものを動脈に達するまで刺す。
 シースはカテーテル等を差し込むための入り口となる。 

 シースが動脈まで達すると、短時間だが勢い良く出血する。
 実はこのシースを刺すときが最も痛い。痛いといっても皮膚の表面を切り裂くような激痛ではなく、

 「ひどい鈍痛」というべき痛さである。
 すでに私は4回もシースを刺されているが、毎回この場面でぐぬぬ~っと声を漏らしてしまう。


⑤カテーテルはまだ入れない。

 先にガイドワイヤーと呼ばれるカテーテルの道筋をつけるための線を動脈に入れる。
 カテーテル自身は血管よりもやわらかいため、そのままでは血管中をうまく進むことが出来ないのだ。


⑥ガイドワイヤーが病変部に到達したらカテーテルを追って入れ込み、造影剤を注入してX線透視する。
 これを数箇所繰り返す。


⑦すべて透視し終えたら、カテーテル・ガイドワイヤーを抜き、最後にシースを抜く。
 すぐに穿刺部を強圧迫して止血する。

 動脈を止血するため、手首を返して傷口が開かないように添え木も付ける。



手術室にいる時間は45分程度である。
ただし止血のために手首を猛烈に強い力で圧迫されるのが約6時間続き、
2時間おきに看護婦が腫れ・出血がないかを見に来るので、さっぱり緊張が緩まない。


夕方、本日の検査をすべて終えた担当医が私と付き添いにきていた妻を呼び出し、結果の報告。
結論として再狭窄は無し。それ以外の場所にあらたな病変も発生せず。
そして第一回目のときに見つかった病変のうち、まだ手をつけなくてもよいが進行したら一気に死に至る左主幹部の病変も進行せず。



ということで、薬を毎日飲んで血圧・コレステロールを下げておく必要性はまだ続くが、
目下のところの術後の状態はCleanであることが分かった。



しかし担当医も言っていたが、よわい30半ばにしてこの状態というのも嘆かわしい限りである。