

清流の幅が狭くなりより急峻になった渓谷を上っていく。確かに気持ちがいいワインディングが続く。やがて巨大なダムが姿を現した。道沿いに道の駅のようなものがあり、大型バイクのグループの姿が見える。どうやらここは地元ライダーの定番のコースらしい。鮎料理や猪料理に蕎麦の看板が多い。今度ゆっくり食べる為に来てもいいかもしない。
唐津市の平野に出て伊万里に抜ける国道202号は淡々と走るのみである。田舎の雰囲気でのほほんとしていた。伊万里からかつては有料道路であった佐世保市に抜ける国見トンネルのあるルートに乗る事にした。伊万里在住の友人が時間的に佐世保市に出るにはこちらが早いと言っていたのを思い出したのである。同時に職場の先輩が先日このトンネルのアプローチで公安に法を執行されたと言う情報も思い出した。
運良く集団の先頭になり、気持ち良く走り出したがこのエリアが公安の”狩場”である事もありバックミラーで地元の後続車の速度をチェックすると成る程、制限速度遵守である。ミラーで後続車を千切らない程度のペースで登って行くと対向車線の下ってきたバイクのライダーがお辞儀の様に首を縦に振るのが見えた。・・・これは??
峠の頂上にあるトンネルを通過して出口から数百mも行かない対向車線側の退避スペースに白いバイクが2台いるのが見える。黄金時代のCBR400RRをバリバリにカスタムしたらしいバイクと車体と同色の立派なツナギを着た男性が白いVFR800に法を執行されていた。やはりここは白い悪魔の餌場であったのである。憐れな子羊を視界の中に捉えながら”ザクとは違うのだよ、ザクとは!”と心の中で呟きながら青いFZ1GTを慎重に現場から離脱させたのである。
ただより恐いものはない。よく言ったものだな。