
試合後のことで、刈り終わった草を選手父兄みんなで運んでいる時だった。
本部の監督がシュンタローを大声で呼んだ。
「シュンタロー」という呼び声が、みんなの口の上をサーフィンするようにシュン
タローに届いた。
シュンタローはセンターの辺りでネコ(一輪車)に草を乗せていた。
東京中日スポーツのインタビューだった。
女性記者を前にしてしっかりと直立不動でそのインタビューに答えているのを俺はセカンド辺りから見ていた。
意外に長いその時間に俺は心の中いっぱいに花が咲いていた。
そして今日言われていた掲載日だった。たまたま自主練習の日だったので、いつもよりちょっと早く起きたので、ついでセブンイレヴンまで行って、新聞を2つ買ってしまった。
『うーーん、たいしたものだ』
おれは心でつぶやいた。
前回のブロック準決勝戦もサヨナラヒットを打ったので載った。その行、6行。しかし今度は12行だった。2倍も活躍した、ことになるか。ラッキーボーイだな。
たまたま小学時代同じチームの親父仲間丁度はらはらしてる最終回に通りがかったので、そのシーンを見ることになるのだが、いつもはそんなことは言わない俺だがその時、その空気観が俺に言わせた。
『見ててよ、絶対、絶対、シュンタローはホームラン打つから、絶対打つから』
その最中だった、快音がバットから聞かれたのは。
有頂天気分か?
塞翁が馬か
それにしても記者はすごいな。
あんなに長い時間インタビューした記事を
こんなに手際よくまとめ上げてしまうんだから!?