先日
とあるブログで目にしたことを
ご紹介したいと思います

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私には
なにげなく
今までずっと読ませて頂いていた
ブログがありました

それはいわゆる「闘病ブログ」で

ブログの主は男性
2年前から腎臓癌を患っていらして

そんな中でも
明るくコミカルな文章
一方で冷静な俯瞰を交えた筆致
そしてご家族への思いやりなどが
伺い知れるそのブログは

常にカテゴリー上位に上っていたので
ご存知の方もいるかもしれない

私も 
陰ながらご快癒を願って
たびたび読ませて頂いていました



ここ数ヶ月忙しく
他の方のブログも
読む時間もとれずにいた日々

でも数日前……

なにげなく
「ポール・マッカートニー」の
アクセスワードで
ブログ内検索してみると

「奇跡が起きればやりたいこと。
ポールマッカートニーの
武道館ライブを観覧する


との文字が。

どんな人だろうと思って
そのままアクセスしてみると

なんと
私が去年からずっと
読ませて頂いていた、その
腎臓癌ブログの方の
最近の記事で……。

その「やりたい事」の記事は
ポールの武道館ライブの
3週間ほど前にあたる
「4月1日」のものでした。

ポールのファンでいらした事を
全然知らなかったので
驚いた私。

ブログ記事にはこうありました

************

死ぬまでにしたい事

富士山に登りたい
ハワイ旅行がしたい
高級車を乗り回したい
一流ディナーを食べたい
最後の大恋愛をしたい

皆はこんな回答を
期待するのでしょうが
自分はまったくそんなことは
やりたくないです

自分が本当にやりたいことは

長時間座れるようになる
長時間立てるようになる
空腹になる
痛みから開放される
家族と近場旅行する
友人と食事をする

要は 普通の生活がしたいです

普通の生活が出来るということは
奇跡であり素晴らしいことです

でも皆は
当たり前のことだと思っています

それに気付けば
人はもっと 人生を
有意義に過ごせるのかもしれませんね

‥‥‥‥‥‥‥

でも…これでは何だか夢がないので

「奇跡が起きればやりたいBest3」

1.ポールマッカートニーの武道館ライブを鑑賞する
2.ビートルズのコピーバンドでベースを弾く
3.微風・波なしでいいのでボードセーリングをする


************

そんなふうに
書かれていました。

私は 驚きながら……
そのまま日を追って
読み進めていくと

その1ヶ月ほど後の
5月4日
ブログは終了していました

ポール武道館公演の
10日後のことです

最後の記事は
彼の奥様の手によるもので

「本日 夫は永眠いたしました」
とのこと………

ブログ主であるご主人が
苦しみなく逝かれた事

これでやっと
全ての苦痛から開放されて
自由になったということ

そして
読んでくれてきた皆への感謝の気持ち

それらが
奥さまらしい お気遣いの
滲む文章で締められていて

あまりのことで
ショックが隠せない私
‥‥‥‥‥‥‥

ブログ主さんは
最後の1ヶ月
進む病状の中でも

今までと同じく

家族のために
自分のために

病気と闘っているご様子を
記されていました



あらゆる治療を試された末
最後の道として示された
望みの薄い
とある治療にも

少しでも良くなるように
前向きに冷静に
取り組んでいる姿が



動きにくくなった身体の
リハビリ。

介助されながらの
幸せなお花見。

そして
ご自身に今まで起きた
快方への奇跡を数え………

すでに全身に多発転移している
むずかしい容態の中、

愚痴る事も
自暴自棄になる事もなく

「今後も奇跡が起こると信じて
闘病生活を送りたいと思います」と。

しかしその数日後

激しい倦怠感の中
書かれた記事によると

病状はかなり厳しいという事

個室に移され
家族が呼び出された事

これが最後のブログ記事に
なるかもしれないということ

そして

「皆さん
今までありがとうございました」

との
挨拶で締められていました。

そしてその2日後には
奥さまによる

お別れのご報告が



辛苦の日々だったと思います
私なんかが想像つかないほどに

でも
ブログ全編に滲む
あたたかくて前向きな空気は

同じ病気で戦っていらっしゃる人にも
何かで心が疲れている人にも

勇気や元気を与えていたに
違いありません

そんな彼が

「奇跡が起きたらしたいこと」

そんな夢の一番上に
上げていたのが

「ポールの武道館ライブを観覧する」
でした




結果的には

彼は
武道館に駆けつけることもなく

ベッドの上で
その日を迎え

公演のあった日の1週間後には
亡くなってしまう

「奇跡は起こらなかった」

そこに涙はあります

第三者の私でさえ……
おこがましいけれど


でも
私は思います

キラキラした奇跡を
胸に描いて戦う事は

きっと彼にいくばくかの力を
与えただろうということ

それを口に出すのは
(そして想像するのは)
少しでも
楽しい事だっただろうということ

公演にいらっしゃることは
叶わなかったかもしれませんが

最後の夢のうちの二つも
ビートルズが入っていた彼は

おそらく闘病中も
ビートルズやポールの音楽に
慰められていたに
違いないでしょう



私なんかが
生意気ですが

彼の人生に
小さく暖かな光が

灯ったとすれば
私も嬉しい…………



ポールは今日も

色々な人の夢を乗せて
思いを背負って

歌うんだろうと思います


生きる者

逝く者

その二つは
大きく隔たるようでもあるけれど

実はそんなに
遠くはない

あちらとこちらは
繋がっている

そしてそれは
暖かい道であるに違いない

そうあるように
正しく生きたい

そう思います



ポールが日本に来てくれた
一週間

いつものように
お祭り騒ぎのバカ騒ぎで

心の芯から楽しんだ私だけど

これって当たり前じゃない
全然当たり前じゃない

私にとっての当たり前が
誰かの奇跡であること

奇跡と感じて戦っている
人があること

そして
叶えたくても
叶えられなかった人が
いるということを

改めて心に刻みたいと思います



ポールが背負うものは
とてつもなく大きい

正の喜びも
負の悲しみも

それが
元ビートルズであり
ポール・マッカートニーであるという事

ポールは知り抜いているはずです
自分がそういう存在であり

生かされている
意味を
担うべき重責を

でも………
それを背負う「力」がある人

そしてそれを
喜びに換える事ができる人

それが
ポール・マッカートニー
その人だと思います



去年の今日………6月18日

私はポールを
「世界に一匹の幻の鳥のようだ」
と書きました

(「100年経っても 1000年経っても」
http://ameblo.jp/apricotwind23/entry-12167767176.html)


その
100年の歴史に残る
伝説の鳥さんと

同じ時代を生きている奇跡
間に合ったなあという奇跡

そんなことを噛み締めた一日

ただ その鳥さんは
とても皆から愛されていて
それゆえ
とても遠い存在であり

私がどんなに愛しても
今現在
実存しているかどうかは

私の実生活には
「実は関係がない」ことを
知っていると

でも
同じ空でつながっている
それだけですごく嬉しいこと

その気持ちに
間違いはありません

でも………
こうして

ポールが
齢70を経ても
私たちに逢いに
公演をしにきてくれて

曲を作ってくれて
歌ってくれて

それは私にとっても
誰にとっても

とても夢のある、
関係のある、

素晴らしいことだと
感じました。



Happy Birthday ポール

2017年6月18日
75歳の誕生日おめでとう

「あと30回はお祝いしようね」と
昨年書いた私だけど

大好きなポール

世界中の皆と一緒に………

あと50回はお祝いしようね!!
(増えてるし。。^^;)


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上記 うりゃさんの闘病ブログ
「死ぬまでにしたい10のこと」
https://ameblo.jp/hinokt3/entry-12261733793.html


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