夢には2種類あると思う。

ひとつは宇宙旅行に行きたい、魔法使いになりたいといったファンタジックな要素を持つものだ。努力せずに東大に行きたい、なんてのも含まれるだろう。
もうひとつは看護師になりたい、沖縄に旅行に行きたいといった比較的現実的なものだ。目標とも言い換えられる。


私が長年持ち続けている夢は、前者と後者の狭間にある。多くの人の夢がそうかもしれない。

ちなみにその夢というのは自分の本を出版することだ。あわよくばそれが売れること。叶えられないことはないだろうが、それで食べていくとなると非現実的である。

小学生の頃は叶えられそうもない夢を語っても温かい目で見てもらえる。だが大学生ともなると就職が迫り、友人たちとは年収や雇用形態の話を「夢」を見ていた時と同じ口で話すことになる。

高校生の頃から周囲が現実的な夢を語り出しているのに、私にはそのような夢、目標がなかった。
出版社で働きたい、司書になりたい、と言っていたものの、本当にその職に就きたいかと言われると返事ができなかった。

だが、今日なんとなく参加したセミナーで目標が見つかった。

公務員になることだ。

理由としては、利益追求ではなく人のため、という考え方が自分に合っている気がしたからだ。また福利厚生も充実しているようだし、安定して働けそうだと感じたからだ。

けれど一番の理由はセミナーの先生の言葉だ。

「過去は関係ない」

私は自分の過去がコンプレックスである。だが、公務員試験は過去を見ない。私がコンプレックスを克服さえすれば、チャンスがあるのだ。

不安は絶えない。13科目も勉強出来るのか、独学で合格できるのか、情報収集はどうするか。今の私には面接で自己PR出来ることすらない。

けれど、ようやく持てた現実的な夢を、夢を与えくれた見知らぬ先生の言葉を、私は大事にしたい。人生で最後の試験に、合格したい。