フラ(特に古典フラと呼ばれるフラカヒコ)は,土地への感謝を踊りで表現する曲が沢山あります。


今習っているカヒコも,ニイハウ島(おそらく作者の故郷)に馳せる思いを,曲にしたものです。

 

カヒコはハワイ語の曲ですが,そもそもハワイ語は語彙自体がものすごく少ないので,ハワイ語で作詞された曲の本当の意味は,作者にしか分からないというのが現状です。


実際にコンサート等では歌い手が説明しながら歌ってくれるケースが多いようです。


 

なので,古典カヒコの曲の本当の意味は,想像するしかないのです。


おそらくという言葉を使ったのは,こういった背景があるからです。

 

 

ニイハウ島は個人所有の島。


島民は130人で,島民以外の入島は基本的に許可されていません。

 

最高級と言われるニイハウシェルで有名なニイハウ島。

実際に島に足を下すことも難しいからこそ貴重な,自然から作り出されたジュエリー、それがニイハウシェルです。





わお、お高い笑

 


今はインターネットでニイハウ島がどのような島なのか,ある程度は情報が得られますが,現状現地の方がどのような暮らしをしているのかは,実際のところを知るのはかなり難しいそうです。

 

なので,私たちも調べられることは自分で勉強した上で,イメージをしなければ踊れません。


ハワイ語で謳われている古典カヒコだから,尚更です。

 


 

自分に当てはめてみると,私の生まれは愛知。


学生時代は京都で過ごし,その後就職して千葉,北海道と住まいを転々としています。


故郷を「生まれ育った場所」と定義するのであれば,18年間過ごした愛知ということになります。


でも、私はもともと地元志向が弱く,生まれ故郷に思いを馳せるということがあまりない人間でした。


こう書くと,地元を愛せない冷酷な人間だと思われるかもしれませんが,ここで偽りを述べても仕方ないことなので,正直に書かせてもらいました。


 

私自身がこの思考を持っているのはいろんな要因が重なってのことですが,その1つとして弟の存在があります。


我が家は代々その土地に住んでいる家系です。


そしてその土地は長男が継ぎ続けています。


私自身は家族からの洗脳があったとは思っていませんが,小さいころから(記憶が正しければ幼稚園の時から),いずれはこの場所以外の土地で過ごすのだと認識していました。


実際に現在弟は家族を持って,二世帯住宅でその土地に根付いて暮らしています。

 

 

卵が先か鶏が先かという話になってしまいますが,自分と同じ境遇の人が周りに集まっているというのも要因の1つです。



大学卒業後,職場の同僚はほぼ全員が転勤族(この言い方も古いですかね笑)。


夫とは社内結婚だったので,同じ感覚を持った人と四六時中一緒にいるという環境でした。


 

振り返れば,地元を出てから故郷に思いを馳せるという余裕もなく,日々忙しく過ごしてきました。


 

話はずれますが,20代のころの私は,「忙しい=充実している」と勘違いしていたのだと思います。

 

 

そんな私でしたが,32歳の時職場を変えたことで,違った世界が見えてきました。



これまでは「その土地に根付く」という人が周りにあまりいませんでしたし,そういった生き方は自分にはあまり関係のないものだと思っていました。


 

でも,今の職場は北海道で生まれ,これからも北海道で過ごしていく予定だという方がほとんどです。


 

私の境遇を聞いて,ほぼ年齢も同じくらいの同僚から「親元から遠く離れて,自立して生活していて,尊敬します」と言われ,「そのように感じる人もいるんだ」と目からうろこが落ちました。


 

でも,「地元に腰を据えて生活する」ということを決め,実際に地元のコミュニティに根付いて生活している,そのことを「選択をして実行している」ということ自体が,自分はしてこなかったことなので,すごいことだと思います。


そしてそこまで地元を愛せるということは素晴らしいことだと思いますし,羨ましくもあります。


 

この記事を書いていて思ったこと。

それは、地元で生活していようがしていまいが,コミュニティが大事だということ。


そしてそれにはその土地に根付いたコミュニティも含まれるということです。


 

今はサイバー空間の発達でどこにいてもコミュニティを作れたり,自分の好きなコミュニティに飛び込むことができますが,その土地にいなければ経験できないコミュニティというものも存在します。


 

フラのハラウ(教室)もそうですし,職場もそうです。


新しく始めたお花も,毎日仕事を頑張っている保育園のママ友も。


北海道にいるからこそ経験することできている大切なコミュニティです。

 

今いる場所,北海道。


縁あって住むことになった場所。


最初は抵抗がなかったと言えば嘘になりますが、今大好きな場所。



壮大な自然。美しい景色。

大自然を感じられる広い土地。

 

短い夏は思い切りはじけ,厳しい冬も自然と共鳴することを楽しむ人々。



これを書いていて改めて強く感じます。  


北海道が大好きだと。


でも,いずれは離れるときがくるでしょう。

 

なので,今は大切なコミュニティが沢山存在する北海道を離れた時のことを想像して,ニイハウ島の歌に寄り添いたいと思います。


今いる土地に感謝するということ。その場所のコミニュティを大事にすること。


感謝できる土地が沢山あるということは、沢山のコミュニティを大切にできるということ。


この幸せをかみしめながら、人生を歩んでいきたいです。