『nectar』リリースしました。
ボーマスで手に取っていただいたみんなありがとうございます。
通販も本日発送しましたので、お待ち下さい!
知声ファンに喜んでいただけたっぽいのもうれしかったです。知声がリリースされてすぐインストールして「素敵なライブラリだ」と思ったのはいいものの、全然似合う曲が書けず3年以上放置してしまっていたので、やっと自信を持って知声の曲としてリリースできたのが「nectar」だったからです。ありがたい。
今作のジャケットイラストはairy.i.rayさん。前回は『ヒューマン・エラ』のジャケットイラストを描いていただいたんですが、人間が人間であることみたいな話になるとairy.i.rayの絵が似合うなぁとなりがちなのかも。
この記事に書いてるようなことをワーーっと伝えて、描いていただきました。「想い」受け取り力がすごい。
appy、「VOCAROCK」はこれにてひとくぎりの予定です
— 𝕒𝕡𝕡𝕪 (@appy_7_2) November 24, 2025
ちゃんと、おれのVOCAROCKはこれですという結論を出したかった
第四期、第五期の移り変わり、ぜひ刮目してください
チャオ
今作はappyのVOCAROCKにひと区切りという気持ちで作りました。appyのVOCAROCK結論というわけです。
VOCAROCKは何か違うかなぁという気持ちとHIPHOPやりたいなぁという気持ちが違うきっかけで同時に発生していて、それらが起きた理由がしばらく言語化できなかったんですが、今なら一環した説明がついて、「VOCAROCKは肉体から離れてしまった」ということだと思います。
「リサイクル」を作り終えて、良い曲すぎでございますと思うと同時に「これはVOCAROCKの「次」じゃない」と思ったんですね。
10~20年前くらいの邦ロックが一番好きだしやりたいことだなと気付いたんです。
古風な曲を作るのも聴くのも好きではあるんですが、ボカロPappyはやっぱり「次」のものを作りたい。
そして、土台がしっかりしてるので、これはいつでも作れるなとも思います。いつでも帰ってこれるし、どうせいつか帰ってくるだろうなぁというのが目に見えている。「リサイクル」みたいな良い曲を作れたからこそ、距離を置く勇気が持てたということです。
VOCAROCKの「次」を作るという試みはたまにしていて、これらは自分も大好きな曲たちです。
僕は現場を重視する気持ちが強いボカロPです。それには即売会に行ってCDを直接売るとかも含まれますし、舞台に上がることもそうです。なんですが、そうなったときに、これらは肉体から徐々に離れていくムーブメントだなと感じます。作れるけど、継続していくのはどうなのかな?と思ったんですね。
だから、appyのVOCAROCK最終結論『nectar』は肉体的なところを目指して作りました。
「リサイクル」
こりゃー良い曲ですね!
ネガティブな感情でも昇華されるのが芸術のいいところですが、芸術のなかでも音楽はすごい情報量なのに記憶にポータブルしやすいっていう圧倒的利点があるのが好きです。それは心を増やしてるのと近い。
「ニュータウン」
『わたしのまちLP』のために書いた曲です。ふるさとが兵庫県三田市ゆりのき台という場所なんですが、あそこはあまりにも「箱庭」すぎてヤバい街です。清潔すぎるというか綺麗すぎるというか、理想的すぎるんです。是非観光にでも行って欲しいです。(観光に行くにしては何か名所があるとかそういうわけでは無いので、何かのついでに行くのが吉です。有馬温泉が一番近いかも?)
「豊かな生活」みたいな、そういう理想や希望を抱いて、実際に形にしたということ自体が希望なんだよなと思います。
「nectar」
思い浮かぶ情景描写をばーーっと書いたので、自分でも解釈に時間がかかりました。最初思い浮かんだフレーズが「それはエロ」だったし……。歌詞を書いてる当時は「価値観の話だな」と思いながら書いていました。
「神様になる」のは大変です。だけど、そういうものを目指すひとは結構見る。かつては僕もそうだったのかも知れない。だけど僕達は人間で、ひとりひとりが確実に、そう。
タイトルの「nectar」は「僕にとって一番美味いジュース」の「ネクター(不二家)」から取りましたが、そのままの意味の「蜜(花とか果汁とか)」とか「神話の美と不死の酒」でもあります。美味いジュースっていう人間っぽいところと神を接続する言葉として命名したのかな?と思います。
ちょっとフワフワした文章になっちゃいましたが、自分の言語化の速度よりも先に行ってる曲だなと思いますね、これは。
「知ってる風」
さくさくまさんの卒業制作漫画『文化活動部のきみと』のテーマソングとして書いたものです。
作品自体ストレートな学園青春モノなんですが、青春とはなんたるかというものに改めて向き合う機会となりました。
今タイムスリップできたならあの子の好意とかにも気づけていたし、うまく立ち回れてただろうなぁと思いつつ、それが無いことこそが青春だったんだと思います。
引き返せず、初めての体験。そういうエモみが漫画にも溢れているので是非、読んでね。
「あさっての方向」
オミハラさんの卒業制作MVに提供した楽曲です。
提供自体がかなり前でアルバムに入れる機会がなかなか無かったんですが、今このアルバムだと思いました。
「正しさ」から逸脱して表現の幅が広がっていったみたいな話。それにしても芸術ってすてきだ。
「STANDING BY」
アルバムとしての着地が綺麗すぎるかつ、自分自身の未来の話みたいなところがあまり無いなぁと思っていて、今回書き下ろしました。
『仮面ライダー555』をつい最近一気見して、かなりインスパイアを受けて……元ネタにして書きました。
主人公が夢の無い若者で、それ故に理由も無くとりあえず助けなきゃ!で人助けをしている反面、逆に夢や目標のある奴がバンバン人殺したりめちゃくちゃ周りに迷惑かけたりしまくる話なんですが、現実でもそういうことあるよなぁと思ったんです。(冒頭に夢の無い主人公と「夢は呪いと同じ」と語る敵が対比として出てきて、明確にそういった話を描いていたなぁと思います)
普通のギター録音をしてもノイズが多少乗るものなんですが、そこから更に誇張してノイズを足したり乱暴に演奏したりしています。
Vocalは後から選択したんですが、雨衣がしっくりきたのは自分としても意外な気持ちでした。ちょっと女声の音域よりは低いところにいるという距離感が良かったのかなと思います。
VOCAROCKにちゃんと向き合ったアルバムというのもここ数年やってこなかったので、改めてこの機会に出せてよかったです。全体的にめっちゃでかい音で聞いて欲しいアルバムでもありますね。マスタリングもそういう調整になってると思います。各楽器、特にギターの「うねり」みたいなところを受け取ってほしいなと思います。
ボカロP始めて13年半を過ぎました。けれどもappyはまだまだ現在進行系で曲をリリースできていて、ありがたい限りです。時間はどんどこ過ぎていくものなので、やはり「アルバム」大事にしたいものですね。
またお会いしましょう。
appy
