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かつて、イーストマンコダック社Eastman Kodak Companyといえば、世界最大の写真用メーカーでした。世界の産業の歴史において、冠たる地位を確立したといえますが、しかし、2012年に経営破たんしました。写真フィルムの名門として、世界をリードするマンモス企業であったものの、デジタル化の波に乗り遅れた結果です。

 昨年の12月のニュースによれば、目下経営再建中にある同社は、12社の企業連合に、会社の財産であるデジタル画像関連の特許を5億2500万ドル(約440億円)で売却すると発表したといいます。

 この企業連合に入っているのが、米アップルに、グーグル、マイクロソフト、アマゾン・コム、フェイスブックなどです。

 まさに時代変わって、元々は手狭なガレージで創業した小さなベンチャー企業が、今や世界のリーディングカンパニーです。新しい商品、新しいサービスをイノベートするだけではなく、世界のライフスタイルまで一変させるほどに強い影響力を持ち、その結果、力を失ったかつての巨大企業を飲み込んでしまいました

 何か人間の最期と重ね合わせるところもあり、人の世で逃れられない栄枯盛衰を感じずにはいられません。一大企業の衰退もまたとても儚く、切なくもあります。ただ、世代の交代は、ある意味生命が負わされた宿命でもあり、この「死と生」という循環があるからこそ、健全な営みが継続します。

 ところが、この当然の循環装置が機能せず、古い会社が死に体であるにもかかわらず、延命を続けさせ、新しい会社の成長をつぶすようなことがあったとしたら、こちらの方こそ破滅的です。

 いわゆる既得権益という言葉がはびこり易く、優れたイノベーターである新参者を排除しがちな国にあっては、常に破滅的現状が続いているとも解釈できます。そう考えると、きちんとコダック社を破綻処理し、一方でグーグルやアマゾンなどの新しい産業が健全な競争原理に基づいて、グローバル企業へと躍進するアメリカの産業界は正常なのでしょう。

 さて、コダック社からデジタル画像関連の特許を買収する企業のひとつに、日本の富士フィルムも入っています。

 富士フィルムと言いながら、それは名ばかりで今や写真フィルムは主力商品ではありません。これまでに写真フィルム技術を研究したことで得られたナノテクロジーを活用し、医療分野、化粧品市場に活躍の場を広げています。日本の産業界にあって、数少ない優れたイノベーション企業です。

 健全な競争原理の中で、企業も人も、競い合い高め合いの精神を育てるべき時代にあって、教育の役割、教育の責任、教育の価値をいっそう高める必要があります。教育の世界もまた、資本主義の経済のメカニズムがあって、その産業のひとつである以上、ともにより上を目指し切磋琢磨することで、教育のレベル向上に寄与していかなければなりません。